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  たわごと編: No.116  
  2012.08.06 してよいパクリといけないパクリ  
 
  以下は、北朝鮮でパクリと思われるディズニーキャラクターが催しものに出ていたというニュースを見て、以前中国のパクリ問題華やかなりしころ書いていたパクリについての感想に少し手を加えた記事である。

(以下本文)
パクリというと最近は中国が話題になることが多い。この場合のパクリとは他国の人や会社などの作品や製品や技術を真似たり土地の固有の名称をその土地の名産として通っている産物と同じような産物につけたような意匠登録をすることのようである。作品などは黙って真似されることが多いようである。自国内で登録されていない特許や意匠を真似て登録してしまい自国の技術だ意匠だと主張する類は公知になる前にスパイして盗んだりしたのなら盗まれた方も悪いが、公知になっているものが登録されたとなると問題である。日本の土地の名前などを含んだものもこの範疇に入るものは多いと思われる。

私はパクリについて厳密に何処までがパクリでこれならパクリではないと判別することは出来ないのだが、パクることについてはむかしも今も人間みなやってきたりしていることのように思える。人は生まれてから親や周りの人の行動や言葉を真似て育つわけだがこれは立派なパクリである。また学校で学ぶが学ぶという語は真似ることから出来た語のようである。仕事に就けば先輩のやり方を盗んで仕事を覚えろと言われることもある。そもそも人類がここまで文化文明を発達させたのもパクリを続けてきたからである。先人の成果を学んでその上に少しづつ進歩の上積みをしてきたからである。

職人とか芸ごとの世界でも弟子になるとか修行するというのは技や芸をパクるためである。新たに一家を成すというのはパクリの上に少しの新味を工夫するということである。こういう世界では簡単にパクられないように親方制度とか家元制度で技や芸を他人に盗まれないようにしてきたものと思われる。むかしは思想や学問でも同様の師弟関係があったようである。

そこで、例えば弟子に入らなかったりした人が自力で世に名のある親方なり家元のレベルの仕事が出来るようになったとすると、それはパクリではないような気がする。その仕事をする前の段階までは一般化した技なり芸を学んだつまりは歴史上の成果をパクっていることはいるのだがこれは赤ん坊が大人になる過程と同じだと見ればそうなる。そして目に見える成果は同じだがやり方を隠してる親方のあるいは家元のやり方であったとしても問題はないように思える。やり方が異なっていたら勿論パクリではない。ただ特許や意匠で登録されているものがあればその場合だけはパクリとみなされることになるのだろう。

アートに類する文化的範疇で結果が同じに見えたりするとなかなかそれがパクリと言うのは難しい。例えば著作権というのは登録されていないから知らないで同じ結果になったのかパクったのかあるいはパクリだと決め付ける基準が有るのかないのか曖昧な感じがする。パクったとしたら多分真似した人間本人はその自覚が有るのだから100%分かる嘘発見技術が出来れば真偽はわかることになろうが、盗作かパロディか新境地かはその出来の善し悪しによって世の中で評価され結果が出るしかないと思われる。

こういう文化的なパクリと異なって文明的なパクリについては既に特許などの登録や審査の制度がある。大概の国の中では登録公開され公知になってきているし情報はグローバルに流通する時代になっているのに、いまだ登録や審査のシステムがそれらを網羅して国際的に運用される状況にないから独善的な国に悩まされることになっているわけである。また地方名や土地名、人名など固有名詞は公知だし一般的な名詞自体は公知である。それらあるいはそれらの組み合わせが一般的に通用している場合もそれは公知であると思われるが国際的にどうなっているかは知らない。

中国ではハンバーガー店の「マクドナルド」のように、それは人名だがあるものに命名されればそれは権利となっているように見える。また「iPad」という製品名をAppleが差し止められたが、中国で登録の「iPad」は公知になる前にスパイが盗んだにせよ独自の発想の産物だったにせよAppleがそれを認め和解したということは国際的基準にあっているように見える。一方日本で困っていると話題になった産物名のパクリについてはよく分からない。例えば、「青森りんご」は日本でそれが一般に使用されているから多分いわゆるりんごに「青森りんご」という登録は中国でも認められないと思われるのだが、事実はどうなっているのかあるいは国際的にはどう見られているのか分からない。


(付録) 韓国のパクリみたいなもの・韓国起源説

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屋久島方丈記・偏見ご免のたわごと編:
  No.214  研究論文はパクリと少しの新成果からなる  (2014.03.15)
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