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  日誌編 (with photo) ・ 偏見ご免のたわごと編  
  たわごと編: No.81  
  2011.12.12 幸福度ランキングと幸せの感じ方  
 
  11月だったか法政大学大学院のある研究チームが生活・家族部門、労働・企業部門、安全・安心部門、医療・健康部門の4部門で調査して10段階評価したその総合点で全国都道府県別幸福度をランキング化したという報道があった。上位は福井、富山、石川、鳥取、佐賀など都心から離れ人口も少ないいわゆる地方だった。また東京、愛知、福岡など大都市圏の位置するところは大方順位が低く大阪に至っては最下位だった。また北海道、京都、沖縄などの人気観光地も順位が低くかった。この結果からは人口の多さや街の開発度などが必ずしも住民の幸せにはつながっていないことがわかるということだった。いま政府が考えている幸福度も指標評価によるものらしいが、これらは個人の幸福感と違うかも知れない。

どうであれば幸せだと感じるのかは人それぞれだと思われる。私は自分のことばかり考える傾向のある人は幸せを感じることが少ないのではないかという気がしている。自分のことばかり考える人は、他の人より自分が優位であるとか、何かあると自分はどうなるかということばかり気にするとか、自分に周囲の関心が向いていないことを過剰に気にするというような特徴があることから分かる気がしている。例えば、自分の持っている家電が他の人よりグレードが低いと負けたと言うような勝ち負けでものを見る人とか、仕事などで障害を乗り越える努力の前にうまく行かなかったら自分はどうなると心配ばかりする人とか、他の人も何かを感じるものだということを忘れ自分だけが分かっている気になっていて自分の気持ちが通らないときにいらつくような人である。

つまり他の人より自分が何ごとでも優っていなければ気が済まない、あるいは自分が劣っている面もあることを認めたがらない、あるいは自分の思い通りでないと気に食わないのである。誰でもそういう要素を持っているからそういう人はそれだとすぐ分かるものではない。そしてその人の関る全ての局面でそういう素振りが現れるのではない。自分に関わりのある人間関係や環境の中で折にふれそういう素振りが見え隠れする。それをそれだと見極めなければならないのだが、特に自分が内心軽く見ているあるいは弱いと見ている人相手にそれはよく現れる。ある意味での Stay foolish でいるとそれがよく見える。

そういう人は意識してか置かれた環境に流されてか自分がどんな人間かあまり考えず自分に見合うような基準を持っていないのか、その時々の他の人との比較の中に自分の生き方の優劣を見ているようである。そうであると最優秀でない限り常勝ということはあり得ないから常に不満を感じて生きることになる。当然そういう人の自覚する幸福感は低くなる。始めに挙げた研究の結果は都会で幸福度が低く地方で幸福度が高い傾向にあるのだが、それぞれの住民が自覚する幸福感もそれに似たものになるのか興味がある。もし似たようなものになるならば、多分都会では自分を殺して他の人とする競争が激しく、地方のようにそれなりに自分本位の生き方ができないということかも知れない。

しかし実際は自覚する幸福感は都会と地方というより人それぞれで差異があるはずだから、幸福感は都会と地方の両極化はないかも知れない。また都会地方を問わず競争はあるわけだが、激しい競争は都会で顕著なだけである。そしてそういう激しい競争も必要なものである。他の人と競争し勝ち負けを争う気持ちもなければ何の工夫もなく進歩もなく生きることになる。都会の人たちは好むと好まざるにかかわらず競争に巻き込まれることが多い環境にあるわけである。自覚する幸福感にそれが影響しやすいとは言えるが大事なのは勝ち負けを争うその先の目的である。他人の目的でなく自分の目的そして自分の目標・基準があるかないかで幸福感はかなり変わったものになると思われる。これは都会地地方に関係ないように思える。

自分の目標なり基準がない人は他の人との比較の中で相手をする人が変わる度に自分の求める基準が変わってくることになる。そういう人は言うことがよく変わる。つまりは他の人に影響されやすく自分がどう見られているかばかり気にして生きるに似たことになり、幸福感はあがらないわけである。他の人は他の人、自分は自分と考えることは大切である。他の人から自分がどの程度に見られているかあるいは勝っているかという見方ではなく、他の人を自分の基準で見て尊敬出来るあるいは学べる気持ちがあるかということである。そう出来るということはその一方で自分より弱い人のことを心配する余裕も出てくるということである。自分のことばかり考えず他の人のことも考える中で自分に見合った生き方をすればそれなりの幸せな生き方ができると思われる。


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