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  日誌編 (with photo) ・ 偏見ご免のたわごと編  
  たわごと編: No.41  
  2011.03.21 大地震と原発被害・事故  
 
  3月11日に東北地方太平洋沖大地震が発生。見ていたTVで中継の状況を確認していたがひどい状況なので家族・親戚の状況が心配だった。まず東京の娘に電話してみたが通じない。夕方になって娘から連絡があった。横浜に外出中に地震に遭遇、徒歩で家に帰ろうとしているところだった。学校から集団下校というメールが入っているが孫娘と連絡が取れないということである。妻が電話したら下校・帰宅していた孫娘に通じた。父親とも電話は通じないのでその後妻が娘と孫娘間の連絡を屋久島中継で行った。娘は帰宅が22時ころになったそうである。

鎌倉の息子は仕事先で遭遇。会社からそのまま帰宅の指示があったが交通混雑で帰宅は22時ころになったようである。嫁は東京の会社で遭遇。すぐ同方向の同僚とタクシーに乗って帰り保育園に孫娘を迎えに行く。まだ遊んでいたいと言うのを連れて帰宅。タクシーをつかまえるタイミングが早くて大混雑になる前でよかったということだった。停電で夜はローソクで過ごしたそうである。横浜の実家と連絡が取れないということでこれも妻が連絡中継した。東京の娘の家は7階、部屋の中に物が散乱していたそうである。息子の家は5階、室内は変りなかったそうである。

今回の地震では津波が大被害をもたらしている。13日に菅首相が自衛隊10万人投入を指示したという報道があった。市民活動家としてはそれなりだったのかも知れないが国家のあり方動かし方に疎く日頃の自衛隊への認識・意識が低い印象があるだけに、何か自分の非を反省しつつそうしたのか、ただ利用出来るものは利用するということで評判の現実対応力によるものか気になるところである。

原発被害にともなう事故発生については、政府の情報がなんとなく頼りない。分かっていること分からないこと、正直に本当の思いを言ってくれないと困る。「もしドラ」ではないがこういうときは真摯が一番。また東電や保安院も会見で事実説明をするのだが、TVなどで有識者が解説しなくても分かるような説明をして欲しいものである。お手上げのときの処置や避難・疎開作戦の計画はできていて、いたずらに不安を煽らないようにしているのだ思いたいが、そういう思いは伝わってこない。

定かではないがネット情報によれば、一時東電は全員現場から避難させたいと言ったが政府が拒否したというはなしがあったようである。政府あるいは菅首相の感覚は玉砕するまで死守せよと言うむかしの軍部と変わらないかも知れない。事故現場では命をかけて対処していると思われるが、なにか発生するとそれに対処しているだけに見える。言われているように電源復旧が鍵なら、なぜまずそれを全国関連技術者・会社、自衛隊その他総動員でやらなかったのか。並行して上層部は大所からの広い視野で予想事態を未然に防ぐ検討をしていなかったのだろうか。原子炉、使用済み燃料棒プール、その他おかしくなるところは技術者なら予想の範囲内ではないかと思われる。

現場では上層部の指示に振り回されながら処置作業を進めているあるいはいたのだと思われるが、上層部は初めから福島第一原発は諦めるかたちで止めを刺す対処を決断すべきだったような気がする。ここでなんとかという対処の連続で今回のような事態にならなくても、原発は批判にさらされ再稼働はできないし他所での新設も無理になるのだから、はじめから周辺・環境被害の最小化策を一挙にとり少しでも信頼感を残せるようにすべきだったと後知恵かも知れないが思っている。

ところで、原発をメガフロート化したらどうか。また非常用発電所を原子力空母みたいな艦艇にして、通常はメガフロートに係留し原発の一部として稼働させ、どこかで地震など災害があって電力供給に支障が出たらそこに駆けつけるなんていうのはどうか。普天間飛行場代替でメガフロート飛行基地というアイデアもあるようだが。

補足1: 思い違い
2011.03.24
私は思い違いをしていたようである。いまの感じは、薬になると言われ毒薬を試し飲みしたが飲み過ぎてしまった気分である。あると思っていた解毒剤はなく副作用に耐えられるか心配である。

補足2: 思いつき・却下されたアイデアかも
2011.03.31
世界一受けたい授業というTV番組だったか、トンボみたいなカメラ付き飛行ロボットを見たことがある。瓦礫の中を這って行くカメラ付き走行ロボットもあるようである。原子炉格納容器の破損状況などを確認するのに使えないのか。

補足3: お手上げの白状だったのかも
2011.04.13
原発事故が暫定ということだがレベル7になったそうである。東電が全員現場から避難させたいと言ったとき、実は東電はお手上げのサインを出していたのではないか。その時点ででも政府が全権掌握し原子力の知識と実務に精通し政治的ふるまいも出来る原発事故対策トップを選任して全権を与えればよかった気がする。政府にそういう人を選任する力があるとしてのはなしだが、今までを見た限りでは出来なかったかも知れない。

補足4: 不審な放射線量率基準変更
2011.05.03
原発事故で政府が放射線量率の基準を変更して問題になっている。何のためにいままでの基準が決められていたのかということになる。放射線量率がいままでの基準を上回ったらその対処法はどうと想定していたのではないのか。いままでの基準を上回りそうになったらその対処法を採らなくてよいように基準値を緩めるというところが不審である。

政府の都合の悪いデータは公表しないSPEEDIというのがあるようだが、アメダスの観測点に測定器を配置して毎日地表近くの放射線量率を雨量データみたいにリアルタイムにメッシュで表示したり、その情報と放射性物質拡散シミュレーションとを付きあわせた放射線量率を天気図とか雲の動きみたいに時系列的に実績から予報までをTVで気象情報の時間に流すことをしたらよいと思われる。気象庁の今後の課題かもしれない。

補足5: 今になって炉心溶融発表の怪
2011.05.25
この時期になって東電がデータを解析したら幾つかの原子炉で炉心溶融があったと発表した。海外などでは初期の頃に言われていたことである。東電や政府の隠蔽体質によって当初は軽微な事故と見せかけてきたのではないかと勘ぐっているが、もし初期から炉心溶融も疑わずやってきて今になって分かったというならば、日本の原子力発電運用技術あるいは技術者はどうしようもなく拙劣なレベルであるということになる。しかし私としては、技術陣はこれまでの東電と政府の説明経緯から炉心溶融を疑って対処してきたがデータの揃ったいま解析したらやはりそうでしたと言うしかない不自由の中にいるような気もしている。

補足6: やはり起こることは分かっていた
2011.07.25 
東京電力福島第一原発の事故発生以前に、具体的には2008年2月に原子力安全基盤機構が原子力防災専門官向けに作成したという炉心溶融シミュレーション画像を誰かが見つけたようである。YouTubeで見てみたが、注水が止まれば30分で燃料棒がメルトダウンし3時間で圧力容器を貫通することを説明したビデオである。原発関係者はみんなメルトダウンを知っていてごまかしていたことになる。恐ろしいことである。 


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