小泉総理が8月15日靖国神社を参拝した。中国や韓国の政府はそれに反発の声明を出している。就任後の小泉総理大臣の靖国参拝で、何年も前から中韓とは首脳外交が途絶し中韓両国と政治的に不安定な関係になっている。私は参拝には批判的であるが、それはさておき、形としては日本は門戸を開いていると言っている、首脳外交途絶を選択しているのは中韓両国である。そういう視点からの感想である。
首脳外交を途絶しても靖国参拝を非難する中韓は、そういう選択をしても困るような影響はないと考えているからと思われる。このまま中韓が首脳外交を途絶して国を成り行かせる自信があって、日本が門戸を開いているのに相手が応じないということであれば、受け入れ可能体制は維持しつつも中韓と首脳外交がなくても問題なくやっていける国に日本はなるしかない。
そういう覚悟や成算はあるのか。具体的な政策はどういうものか。そこが気になる。外交は相手があるものである。自分の思い通りに相手が動くも動かないも、相手の考え次第である。その相手が歩み寄りをせず首脳外交を途絶すると決断したとすれば、それは即ちこちらも相手の言い分に歩み寄りをしないと決断した結果ということになるのだから、そうなったときの具体的な戦略があるはずで、それがどういうものなのか気になるのである。
首脳外交途絶は想定内のことなのだから、そうなっても国が立ち行く手は打ってある、こうしてやっていくということを見せて欲しいのである。こちらはいつでも話し合う用意があると言うが、それは相手が外交途絶するほど受け入れられないこちらの言い分を認めろということと同意に近い。こちらも相手も譲る気がなければこのままということになる。成算もなくそれで良いのだと言っているのではないかと不安なのである。
No.65 靖国参拝のこと(1) (H13.08.20)
No.163 靖国参拝のこと(2) (H16.12.06)