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  偏見ご免のたわごと編:  No.058
わが国も巨大IT企業への規制施行_各国で巨大IT企業への警戒感 2021.02.08
  わが国では巨大IT企業への規制を新たに設ける法律が2月1日施行されたということである。巨大IT企業が取引先より強い立場にあることを背景に自社に有利な契約をしたり一方的に手数料を引き上げたりすることを規制するもののようである。

巨大IT企業がそういう規制で済むくらいのものならよいのかも知れないが、このところそれを形成し・維持する努力の成果である国家で活動しその国家の義務から逃れながらその国民相手に金儲けに専念するグローバル企業について、その活動が国家から見れば国家を超える権力支配者の存在になりそうな危険があって、世界各国の懸念になりつつあるようである。以下、トランプ氏のアカウント停止の動きが出た際にもそういう指摘があって、気になって調べてみたり思ったりしたことである。

以前からそういう問題点は指摘されて来たことだが、プラットフォームを支配するGAFAがその優越的な地位を独占しているにも係わらず、結託したかのようにトランプ氏に係わるSNSのアカウントを凍結したり、賛同者の利用が多い他のSNSアプリの提供や運営を停止したりしているそうである。全体主義国家ではない民主主義国家では独占はいけないという原則があるから代替手段がなければならないのにそれがない状況になっている。民主主義国として気味が悪い状況になっているということらしい。

国家の境界を超えて活動するグローバル企業・プラットフォームが、いまや主権国家を超える存在になって既存国家の統制が及ばなくなって来ている。そういうプラットフォームは仮想の国家的存在となって、利用者はそのプラットフォーム提供企業の支配下にあることになる。そしてプラットフォームはその提供条件を定め強要し利用者を支配はするが、利用の結果は利用者責任と言って利用形態を強要し支配している責任は取らない。

これらの企業は現存の企業や個人の利用者にプラットフォームを提供しているだけで新たな職を生み出していない。そして支配しながら大儲けしている。利用者から上前を撥ね金儲けをしている構図である。それを世界規模でやっているわけである。利益は税金の少ないところで管理するから丸儲けに近い。そして何年も前から主権国家で儲けながら主権国家を食い物にしていると批判され警戒される存在になっている。

プラットフォーム提供で得た膨大なデータを利用してデジタル領域における覇権を握り独占的な地位を強める。そうなれば人々が住み暮らす主権国家のあり方とその企業活動のあり方との関係をどうするか主権国家としては考えざるを得なくなる。複数の支配者のいる主権国家は多分存在しにくいと思われる。それが極端なかたちであらわれたのが中国ではないかという気がする。

中国は、プラットフォーム企業の活動を発展や国際競争力の増強を掲げているが、国家の法の支配はインターネット領域にまで及ばなくてはならないという考えを強調している。党中央による経済のコントロール強化、市場コントロールのため、民営プラットフォーム企業が力を持ちすぎることは不利であると考えているわけである。中国では最近、アリババをはじめとするインターネット・プラットフォーム企業が独禁法違反として厳しく取り締まられているようである。またジャック・マー氏が三ヶ月間姿をが見られない状況が続いたが、党中央から睨まれ拘束されていたのではないかとのいう憶測が海外メディアに出たりもしていた。

ところでアメリカでは、トランプ氏のアカウント凍結などの問題で民主主義国家にあるまじき状況を呈しているわけだが、GAFAのあり方について国家のあり方との関係をどういう方向に持って行こうとするのか。主権国家の中で活動するグローバル企業がどうあればよいかについて、ひとつの答えが出るか興味のあるところである。

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