My logbook : 屋久島方丈記 
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  たわごと編: No.577
 
  2020.04.06 風土なのか人柄なのか_選ぶ方と選ばれる方の責任  
 
  コロナウィルス感染拡大を防ぐとして政府が一斉休校を要請した際、知事の中には政府に異議があってか自分の立場はどうなのよというような感じであるいは自分の存在を誇示するためにか反発含みの発言をする人も見られた。野党などは疫学的証拠を示せとか科学的根拠がないなどと言って自らの存在を印象付けるような政府追及が目についた。

感染が分かるのは感染してから10日以上も経ってだからいまどうなっているか分からない、先読みで措置をしていくしかないのにそれを承知で政府を問いただすパフォーマンスをしているだけの印象だった。また証拠も定かではないのに誰かが怪しげと言い出したことに基づいて印象操作を狙った追及をまだ続けようとして危機感が薄い印象を与える場面もあった。

国民には民主党政権の教訓はまだ生きているようだからまだ救いの余地は残っているかも知れないが、それでも県民や国民の健康・生命を守る振りをしながらまず自分たちのことを考えてしまうような人物を県民や国民が見抜けず選んでしまうとそうなるという教訓はことが収まれば忘れ去られることが多い。

そういうことを思っているとき、ポツンと一軒家というテレビ番組で村長だとか町長だとか区長が番組スタッフを案内してくれている様子を何回か見たことを思い出した。取材の事前調整が済んでいたからのかあるいは突発遭遇でテレビ番組だと知って信用できる相手だと思ったからか、スタッフに好意的で住民にも高ぶることなく応対していた。それはスタッフあるいは放送を意識してのことかも知れないが、それでも彼らの言動に上から目線が感じられるような気配を垣間見ることはなかった。彼らからは過疎化の進む地元あるいはそこに住む住民のことを大切に考えてやっていたあるいはやっている誠実な人間のような印象を受けた。

自分たちが得をしようとか自分たちの偉さを誇るためとかそういう意識はなく地元や住民に添った活動をして来たようで住民との会話でも互いの間に信頼を疑わせる距離があるような雰囲気は感じられなかった。私はそれはどうしてなのか考えたのだが、過疎化が進み住民を守って地元を維持して行かなければならない地域にあって、互いにその自覚を持って相手を尊重しつつ接する意識があるからではないかと思わずにいられなかった。他人のためがすなわち自分のためでもある、いわゆる情けはひとの為ならずで互いが暮らしていないとそうはいかないということかも知れない。

以上のポツンと一軒家での印象は私がそう思いたいだけで、良く見える姿に隠された実像を見通していないだけかもしれない。その可能性は低いことを願うが、もしかしたらわが町と変わらないのかも知れない。そのわが町では昨年来出張旅費を浮かして着服したという疑惑が町長のみならず議員や役場職員にも広がっている。

そして彼らやその仲間たちあるいは支援者は利を得られる限り少々のことだと倫理に悖ることをも容認する風土をよしとしているようである。よく聞くが、田舎だからそういう傾向が残っているということかも知れない。そういう空気が強い中に地元をよくしたいと言うひとたちもいて、その疑惑を指摘してもなかなか追及が及ばない。利権やその波及効果の恩恵にあずかっていない一般人の出処進退の常識も彼らには通じないみたいである。

私は出来る立場になったら得することがあるのにしないという自信はない。誘惑に負けるかもしれない。またみな立場が変わってもしないという保証はないと思っている。現に追及側と目されていた議員も同じことをしていた。そういう思いがあるからか、町長はメディアから進退に関する質問をされても反省を口にはするがそれはやり過ごす方便に過ぎない様相である。テレビ報道などで疑惑対応の経緯を見ているとそんな印象である。

私は、清廉潔白は理想で、そうあって物事がすべてうまく行って欲しいと願ってはいる。そうは思っている。だが私は、少々のことだと倫理に悖ることでも地元と住民のため敢えてそういうことに挑んだというなら、そしてそのホコリを被る覚悟があってのことなら目をつぶる気もある。しかし汚れも厭わぬ郷土愛のなせる業ではなく、何ともしょぼい小金のちょろまかしではどうしようもないし、無自覚にやっていたことが発覚したとしてもその後のあがきはいただけないと失望しているところである。また町長は昨年、ほかに町の事業参入を狙う業者からの飲食接待とか現金授受の疑惑も報道されていたが何となく脇が甘い人物のようで気がかりである。


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