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  たわごと編: No.558
 
  2020.01.06 これからの時代_感受性や文脈を読む力  
 
  「これからの時代」
自分には関係ないが、私も子や孫がいるので少しは気になるはなしではある。

昨年12月も末のころ読んだある有名ブログで、日本ではこれからが本番のようだが、いま世界中リストラの時代に入っているとのことである。その中でどれくらいが該当するのかよく分からないが、主にサラリーマンのような人たちについてのはなしのようである。これからは「言われたこと・指示されたことをやる時代から、なにをやるべきか自分で考える必要のある時代」、すなわちいわゆるホワイトカラーのオフィスワーク力が決め手の時代から自分の発想力とその構想実現力が求められる思考の時代になる。そしてその人材の入れ替えのためにリストラが加速されるようである。

また「次の時代に生きていけるのは、研究レベルの探究心を注ぎ込める専門性を持つ人や、時代の波を見極めて新しい価値を人に先駆けて認知していける人」ということだが、そういうひとは限られていると思われ、いわゆる普通のひとは「まずはマーケット感覚を鍛える」、つまりは感受性を養い世の中の動向に敏感になりその時代あるいはその先の将来に求められるものを察知出来る力を身につける努力をせよと言うことらしい。そうしないと次の時代生きて行けない、つまり後塵を拝する生き方をしなければならなくなるということのようである。いわゆるこれまでのただ勉強ができるひと・子ども、あるいはそういうひと・子どもの育て方はこれから通用しなくなるようである。

ここで、はなしは別のネット記事のはなしに変わるのだが、上記の「言われたことをやるだけ」というはなしに通ずるはなしではある。

「文脈を読めない」
これは昨年のことと言っても何ヶ月も前のことだが、見かけたネット記事にSNSが世に広まったせいか、あるいは関連リンクのないブログ記事などが大勢を占めるようになったからか、ただ言ったり書いてある言葉やその一部あるいは言葉尻を捉えて共感や異議を唱えるような反応が多くみられるようになって、文脈を読み取って言いたいことは何かと深く理解して論議する姿勢が世の中で薄れて来ているのではないかという指摘があった。以下、そのネット記事の感想だが、私自身文脈を読み取っていないと指摘される恐れ無きにしも非ずではある。

私が小学生のころある教師が、他校でのはなしだがと言って掃除のとき廊下の汚れがひどいところを指してここをきれいにしろとある生徒に言って頼んだのだが、後刻その場に行ったらここと指した場所だけ地の木材が白く見えるようになるまで雑巾で擦ってあって周辺は元のままで普通の掃除もしてなかったというはなしをしてくれたことがある。教師はただ言われたことをその言葉どおりにしか受け取らず言った言葉の含む意味にまで思いが至らない、そういう人間ではだめだということを伝える例として話してくれたのだが、以後クラスでは掃除のとき床の一ヶ所だけを磨き込む遊びが流行った。

私は文脈を読まない傾向を指摘する記事を見て、むかしのこのはなしを思い出したのだが、ある会社時代何かを頼むとそれに関係する事柄まで考えて対応してくれる人間がほとんどだったが、たまには言葉に出して頼んだことそれだけをそれが関連することとのバランスや整合性を全く考えずやるだけの人間もいた。あるひとりは周囲とうまく行かず転職したが、転職先でも周りとの連携もうまく行かずまた退職したというはなしを聞いたことがある。

私は一概に文脈を読まない言動をすることを難じることはない、ひとにどう思われようとケースバイケースで自分の意志で態度を使い分けるひとはいるし、そうすることが必要な状況もあるとは思っている。それでも記事の言うように私もメディアやその記者連中にまで文脈を読まずあるいはそれを知らず、ただ目の前の動きや文章や言葉の一部を切り取ってその印象で報道したり論評したりすることが目につくような傾向は強くなっている印象はある。

最近についてはSNSなどによる社会の環境がそれを助長したとなれば、程度の差はあれ文脈を読まないあるいは読めない素養の人たちはそれが出現する以前から存在していたわけで、そういうひと達に影響を与えた環境は何ということになるが、私はその一つは育った家庭あるいは親の言動の在り方なのかも知れない気がしている。


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