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これまでの行政手続きの方法は、不正や制度の悪用を防ぐために、申請者本人であること、申請書にその申請内容に関する情報をそれを保有している行政機関や金融機関等から証明してもらった証明書を添付して行政機関の窓口に提出・申請するするということになってる。必要な添付証明書は、ひとつあるいは複数の機関に行き、本人確認をしてまた必要なら手数料を払って得るのだが、その書類が揃ったら申請窓口に出向いて申請書と添付書類を提出することになる。
受付窓口では、本人であることを確認した上で、提出書類に不備がないか確認し、受理する。そして、受理した部署の中ではそれらの書類を担当者に回付し申請書や証拠書類に記された情報から申請条件を満たしているか判断し満たしていれば申請内容どおり決済されるわけである。また、不正やミスを防ぎ、正確を期するため、提出された申請書の内容や添付された書類について、担当者が目で見て確認し、不備があった時は、申請者に通知して書類の再提出を求めることもあるわけである。
これらの形式的な反復的作業を、効率的に処理するためにするのが行政のデジジタル化である。各機関が保有している情報はほぼすべてデジタル化されており各データベースに保存されている。そうなっているのだから、申請者のID・マイナンバーによって紐付けられた各データベースから必要な情報を取り出し一覧できるようにすれば、申請要件を満たしているか否かコンピュータによって容易に判断することができるように自動化出来るわけである。一定の裁量的判断を要するケースも事例を重ねればAIに置き換えることも可能になる。
最終的には、法律である条件に達していたら申請できるようになる手続きについては、行政側で保有データからピックアップして該当者に申請するよう通知したり資格を付与したりあるいは交付することが可能になるわけで、各人が気づかなければ申請漏れになったりして制度の目的不達という事態もなくせるようになる。行政事務のデジタル化の最終形態はこういうものだと思われる。
そのための障害となる法令や組織の改革や政治家・官僚の意識の改革が望まれるわけである。いまのマイナンバーカード利用システムの制度設計は、利用者に添付書類を用意させたりして不便を強いる形になっているが、マイナンバーカードの根本機能のデジタル手続きにおける本人証明にあるのだから、行政的な事務処理は全てマイナンバーを用いてオンライン化するようにすればよいわけである。そしてそれに金融機関等の機関などの必要なデータベースを紐付けられるようになっていることが行政手続きのデジタル化には必要なわけである。再度言うが、そのための障害となる法令や組織の改革あるいは政治家・官僚そして行政手続きに関連のある各機関など責任者たちの意識の改革が望まれるわけである。
屋久島方丈記・偏見ご免のたわごと編:
No.545 マイナンバーカードの普及_自分は楽になるのか (2019.10.14)
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