今年三が日が過ぎてから散歩に出て二日続けてということは4日と5日だが、わが集落の生活館(いわゆる公民館)のそばを通ったら広場の中央あたりに竹を円錐形に集めてあるのを見かけた。鬼火焚きの準備をしている途中のようで周囲の竹林の方では集落のわが地区にある工務店の社長らしき人がユンボに乗って竹を倒しているのかバリバリという音も聞こえた。
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点火前・先端に鬼の面 |
七草祝いの子ども達による点火 |
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点火後燃え上がったところ |
火が全体に回ったところ |
記憶が定かでないが、多分私は町報に出ていた写真などで見ただけで移住以来本番の鬼火焚きを見たことはない。他集落の方まで散歩で足を延ばしたときに準備をしているところを一回見たことがあるだけである。そこで今年は準備を見かけたのを切っ掛けにわが集落の鬼火焚きを見学に行こうと思い立った。6日に7日の行事の予定として11時から生活館で七草祝い、12時から鬼火焚き、13時から祝い申そうだとの集落の放送があった。
七草祝いとは今年7歳になる子どもを生活館に集めて今後の健康と成長を願って行われる行事のようである。子どもは晴れ着を着て集まるようである。鬼火焚きは正月飾りについてきた悪霊・鬼を追い払う行事だそうである。以上は鹿児島地方の伝統行事らしい。そして屋久島では鬼火焚きが終わると祝い申そうという行事がある。集落の子ども達と付き添いの青年団メンバーの小グループがそれぞれ担当区域の各家を回り玄関先でおめでたい歌を歌って今年一年の無事を祈りお礼にお金やお菓子をもらって帰る。
今年は鬼火焚き本番を見たのだが、火が回って来て断続的に竹がポン・ポンとはじけ始める。そしてほとんど火が落ちるまでその音が続くのが印象的だった。火をつける前や火がついてから投げ込む正月飾りの数はそんなに多くはなかった。大きな正月飾りを飾るのはむかしのことなのかも知れない。他集落では準備を当日朝から始め夕方くらいに点火するところもあるらしい。鬼の絵は高い竿の先端に付けるのだが面だけのところと全身のところがあったり、鬼の猿股あたりに硬貨の入った袋を金玉みたいに付けて竿が燃えて倒れたら子ども達が落ちた硬貨を競って拾い合うところもあるようである。
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屋久島生活の断片・日誌編:
No.35 正月行事のこと [2001(H13).01.08]
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