鹿児島県は定期的に調査していたようなのだが、6月20日実施したミバエ類の侵入警戒トラップ調査において、奄美地方の沖永良部島二ヶ所で掛かった疑わしい個体が翌日あるいは翌々日ミカンコミバエ(オス)と確認された。それを受けてか6月26日に実施された発生確認トラップ調査でも疑わしい個体1匹が掛かり翌日ミカンコミバエ(オス)と確認された。そのニュースを聞いて私は一昨年から昨年の初めにかけてのミカンコミバエ騒動を思い出し今年の屋久島は大丈夫なのかと気になった。
|
ミカンコミバエを防除するための誘殺板(テックス板)、右は拡大写真 |
(オスのミカンコミバエを強力に誘引するメチルオイゲノールという物質とダイアジノンという殺虫剤が染みこませてあり、メチルオイゲノールの匂いに誘われてやってきたミカンコミバエのオスがこの板を舐めることで死ぬ。オスが死んでしまうことによってミカンコミバエのメスがいても交尾できず繁殖しない。効果は場所にもよるが大体2ヶ月から3ヶ月くらい。ミカンコミバエが風に乗ってやってくるのは大体5月から秋冬くらいまでなので、通常4月から10月くらいまで4回に分けて設置する。) |
その後ニュースに気を付けていたのだが、7月5日実施されたミバエ類の侵入警戒トラップ調査において屋久島でも長峰および小島で各1匹、永田で2匹疑わしい個体が掛かり翌々日にそれらがミカンコミバエ(オス)と確認され、7月9日に実施された発生確認トラップ調査でも永田で疑わしい個体1匹が掛かり翌日にミカンコミバエ(オス)と確認され、さらに7月10日に実施された発生確認トラップ調査において中間および吉田で疑わしい個体がそれぞれ1匹掛かり、同日ミカンコミバエ(オス)と確認されたということである。
これまでに見つかったミカンコミバエは、屋久島で合わせて7匹(鹿児島県全体では13匹)になるそうであるが、それらはいずれもオスだそうである。植物防疫所の現時点の見解では南の台湾方面から風に乗って飛来してきたものではないかということらしい。鹿児島県は屋久島のトラップを倍以上に増やし、また半径2キロ以内の果物を採取して幼虫がいないか調べるよう進めているらしい。7月21日までのニュースでは、奄美地方や屋久島で実施されているミカンコミバエ繁殖の確認調査ではいまのところその兆候は確認されていないそうである。
補足:
ミカンコミバエまだいる模様
2017.08.25
7月18日から屋久島町に設置している75個のわなのうち、麦生に設置していた1つに8月22日、雄のミカンコミバエ1匹がかかっているのが確認された。屋久島町で確認されたのは今年9匹目で県は23日、周辺に誘殺板を設置して島内で繁殖しないように対策を強化したということである。
(関連記事)
屋久島方丈記・日誌編:
No.321 ミカンコミバエ_散歩道脇に侵入確認用トラップ (2016.01.04)
.