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  日誌編: No.321  
  2016.01.04  ミカンコミバエ_散歩道脇に侵入確認用トラップ  
 
 
昨年11月末ころ屋久島で、奄美大島で確認され問題になっていたミカンコミバエが確認されたという報道があった。ミカンコミバエが奄美大島で確認されてから農水省(門司植物防疫所鹿児島支所)が屋久島への侵入警戒用に仕掛けたトラップに11月20日に掛かった2匹が21日にミカンコミバエと特定されたのが最初で、その後町内に設置していたトラップ68基で23日までに計28匹確認したそうである。

散歩道の脇に吊るしてあったミカンコミバエ侵入確認用トラップ

そして11月24日門司植物防疫所鹿児島支所と県・町・JAの担当者らが今後の対応を協議して、トラップを104基まで増設するほか確認された場所を中心にミカンコミバエをおびき寄せる誘引剤と殺虫剤二つの薬剤を染み込ませた4.5センチ四方の誘殺板(テックス板)5000枚を木に吊るしたり殺虫剤を散布することを決めたということである。それらを伝えるTVニュースではテックス板を吊るしている様子が流れていた。

ミカンコミバエは体長7ミリほどのハエの一種で1~2ミリの幼虫が果実などに寄生すると腐敗・落果し全滅することもあるということである。奄美群島では1980年誘引物質(フェロモン)によるオスの大量誘殺で根絶されたが、根絶に12年かかったらしい。その絶滅したはずのミカンコミバエが昨年9月奄美大島で確認されたのだが、昨年の夏季の強風で飛来(主な生息地は台湾、東南アジア、ミクロネシアの諸国、ハワイなどと言われている)したのではないかと思われているようである。屋久島には奄美を伝わって飛ばされてきたのかも知れない。

奄美ではミカンコミバエが寄生する恐れのある果物については出荷制限・廃棄処分になっているそうである。屋久島では11月26日の町内放送によればポンカンは通常どおり出荷できるということだった。その後の放送(多分12月になって)では、タンカンが出荷制限されなくて済むようにしようということで、落果したポンカンやタンカンの実とかミカンコミバエが寄生する恐れのあるグアバなど(パパイヤやバナナ、マンゴー、アボカドにも寄生するらしい)についは果実を除去し埋設するようにということである。わが集落の放送でもあるひとが提供した畑に埋設用の穴を掘ってあるのでそこに捨てるよう案内が流れていた。2日ごとに土を被せていくようである。


補足: ミカンコミバエに関するビラから
2016.01.21
テレビニュースでは奄美のミカンコミバエ捕獲数はゼロが続いているのでこのまま推移すれば夏ころには出荷規制が解除される見通しらしい。出荷規制事態に至らないようにと対策に努めている屋久島の状況はといえば、本日配布された町報1月号と一緒に配られた農林水産課のミカンコミバエに関するビラによれば、トラップに掛かった数(多分オス成虫)は昨年10月以降週単位で11月/17~23日に28匹、11月24~30日に173匹、12月1~7日に5匹、12月8~14日に2匹、12月22~27日に3匹だそうである。

根絶のための方法は、メス成虫の産卵場所(寄生果実)の除去とトラップによるオス成虫の誘殺のようである。主な寄生果実には以下のようなものが挙げられており、利用予定のない寄生果実は未熟なうちに廃棄する、落下果・傷果・腐敗果などは埋没する、果実をゴミに出す場合は冷凍あるいは熱湯をかけるなどの殺虫処理するよう呼びかけてあった。
(主な寄生果実)
ナス、ピーマン、トマト、トウガラシ、パプリカなどの果菜類、ポンカン、タンカン、キンカン、クロシマミカン、ダイダイなどの柑橘類、グァバ(バンジロウ)、パパイヤ、ビワ、成熟(黄色)バナナ、マンゴー、スモモ、パッションフルーツ、ゴレンシ、カキなど。


(関連記事)
屋久島方丈記・日誌編:
  No.414  ミカンコミバエ_また屋久島に侵入  (2017.07.31)

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