My logbook : 屋久島方丈記 
Home > backnumber目次 > 記事  
  日誌編  ・ 偏見ご免のたわごと編  
  たわごと編: No.206  
  2014.01.27 都知事選_脱原発争点化の行方は  
 
  都知事選が始まったが、細川氏が脱原発を掲げ出馬したことから原発が争点の一つとして急浮上した。候補者の原発政策で見ると、即時ゼロを掲げるの細川氏、脱原発で福島廃炉を目指す宇都宮氏、漸進的に脱原発の方向の舛添氏、そして安全に原発利用継続の田母神氏という色分けである。主だった候補者としてメディアで取り上げられているこの4人以外の候補の色合いについては報道で見かけないからよく分からない。

私の原発に対する見解はNo.85の記事にも述べているが、このまま性質上収束できない危険性を秘めた原発を推進するよりは脱原発を目指し技術開発する方が良い。そして脱原発をするにしてもその技術開発や核物質を保管処理する負担や生活の不便あるいは代替エネルギーの確保のための国民の負担は必至だというものである。

また、いままでいろいろな勢力が原発政策として廃原発、脱原発、原発フェードアウト、反原発など目先を変えた言葉で語られて来た。どの考え方であっても現実に原発は稼働しているわけだから、いずれ廃炉にしなければならない、使用済み燃料の保管処理はしなければならない、そして原発停止したときのエネルギー供給をどうするかという問題は共通である。異なるのは各原発の停止時期をいつにするか、同時か別個かだけである。原発依存をやめるとなればそのやり方を検討評価することが必要でその結果何らかの実現性の高いあるやり方にまとめるしかないと言っている。

日本に原発があった方がよいかない方がよいかと単純にその本来的性格からの是非を問われれば、ない方がよいという答えになるに決まっている。しかし現実には日本に原発はある。だからこれからこうするのだが、それをするにあたっては国民はこれこれの負担をしなければならないというような具体的説明つまり方策案とその実現に要する負担をセットにした説明がなされないと、国民としては安全とか安心という情緒的な判断に陥ってしまう危うさがある。

今回の都知事選で急浮上した脱原発論議が、政府のエネルギー政策を見直す切っ掛けになったようである。細川・小泉連合のメディア巻き込み戦術の効用のように思えるが、いまのところ細川・小泉連合の言い分は情緒的主張が優っている感は否めない。知事の仕事として具体的に何をするのかがよく見えない。私は原発利用継続というのも原発増強というわけではないと見るから、いまあるものの依存率を徐々に減らしていくことになること必至で、原発利用継続と脱原発の行き先はあまり変わらないことだと思っている。都知事選では他の都の課題はいっぱいあるだろうから有権者はそれらのことも考え合わせて総合的に判断し投票することになると思うが、メディア巻き込みシングルイッシュー的脱原発戦術の成果や如何というところである。

補足: 都知事選の結果
2014.02.10
舛添氏が当選した。都政を国政の手段とするのは無理があるし、都政を大局的に眺めてやって欲しいというのが民意だろう。そうやってくれそうという印象を一番持てた人物を都民は選んだということかと思われる。


(関連記事)
屋久島方丈記・偏見ご免のたわごと編:
   No.85  原発についての見方が変わった  (2012.01.09)
. 
 
 
back
「My logbook : 屋久島方丈記」は、「 My logbook : 屋久島生活の断片」の
日誌編 と 偏見ご免のたわごと編 の 継続版です。
My logbook : 屋久島生活の断片」の ご案内
日誌編 と 偏見ご免のたわごと編 (2010.05.31までの記事)
屋久島釣り場案内
妻関連の「SpinCom」と「SpinCom Gallery」