My logbook : 屋久島方丈記 
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  日誌編  ・ 偏見ご免のたわごと編  
  日誌編: No.185  
  2013.09.16  散歩道で遭遇のムシとモグラ  
 
 
散歩をしていたら道の真ん中に枯れた葉っぱが落ちているなと思ったのだが、近づいて行くにつれどうやらムシのようだと気がついた。見た目バッタみたいに細長く結構大きい。写真に撮って後でネットで調べてみるとタイワンクツワムシ(ハネナガクツワムシ)のようである。私の知っているクツワムシはガチャガチャと鳴きその音色から子供時代ガチャガチャと呼んでいたが側面から見ると丸っぽい感じのものである。屋久島に来てからはそのガチャガチャという音色はあまり聞いたことがないから当地では少ないのかも知れない。またタイワンクツワムシもその音色がこれだと知らないから、うるさく泣いていてもその存在をあまり気づいていなかったかも知れない。

タイワンクツワムシ

この虫はクツワムシと鳴き声が違うのだが、クツワムシに姿が似ているためにその名がついたということである。多分長さ以外の特徴が似ているからと思われる。静岡以南の太平洋側、四国、九州南部、八丈島、南西諸島、台湾、熱帯アジアなどに生息するため、南方を連想するタイワンがついたそうである。造成地、河川の土手や河川敷などの雑草地の茂みの中を好むということだが、今回見たのは川の側の道でだった。体の色はクツワムシ同様緑色のものと褐色のものとがあるそうだが、クツワムシより褐色のものの割合が高いらしい。またクツワムシ同様クズが主食だそうだから、クズの生い茂る当地は格好の生息地なのかもしれない。

コウベモグラ(ヤクシマモグラ)

またある日の散歩では、道の真ん中にモグラが転がっていた。死んでいたのだが首から後ろのあたりがその後方のように毛並みがきれいに見えないから何らかのダメージをそこに受けたのかもしれない。ネットでの情報によれば屋久島のモグラは本州中部以南や大陸に広く分布するコウベモグラの小型の種類だそうである。かつてはヤクシマモグラと言われていたらしいが近年コウベモグラと同種ということにまとめられたらしい。屋久島のモグラは海を隔てた種子島や九州南部と形態的分化(交じり合って互いに見かけに変化が出る)がないそうで、その理由はおそらく屋久島が島として孤立してから2万年近くの土中生活で環境変化の影響を受けにくかったためではないかと言われているようである。

ジネズミ(シロハラジネズミ)

またある日の散歩では、ネズミと思われるものが2匹道の真中に転がっていた。胴体の長さは10cmないくらいで鼻先が尖っている。何かに襲われたようで首の後ろ辺りに傷がついている。なんというネズミかとネットで調べたがネズミではないようである。屋久島には、いわゆるネズミの仲間(齧歯目)にアカネズミ、ヒメネズミ、ハツカネズミ、クマネズミ、ドブネズミがいるらしいが、それらの写真を見ると鼻先が尖っていないからこの仲間ではないようである。

そして屋久島のいわゆるモグラの仲間(食虫目)に前掲のコウベモグラとジネズミがいるということである。ジネズミは地上に出たモグラの仲間で鼻先が尖っているということだから転がっていたのはどうもジネズミらしい。腹が白っぽく見えるから、シロハラジネズミかも知れない。ジネズミは体長約7cm、尾の長さ約4cm、体重は約7~13gくらいで、本州、四国、九州の平地から低い山に多く、畑近くの草むらや林に棲み3時間周期で活動し夜になると地表を歩き回りミミズやクモや昆虫などを食べるということである。わき腹に分泌線があってクサイ臭いをだすため、キツネやネコなどはジネズミを捕まえても食べないそうだから、道に転がっていたのはネコか何かが捕まえたが臭くて食わなかったのかも知れない。


屋久島生活の断片・日誌編:
    No.277  散歩道で遭遇のこと  [2009(H21).09.21]

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