屋久島生活の断片・日誌編
                     Home > 目次_top  >  記事

 No.277  散歩で遭遇のこと  H21.09.21)

虹の根元を見たこと: その日農道へ出る坂をあがっていく途中、虹が出ているのに気づいてその下端を見たら海の表面から立ち上がっているのがはっきり見えた。夕刻だから太陽は西方なので東の方に虹はできるから右側の根元が海ということになる。そのあたりはよく虹が出るところである。左手に山があって雨雲が発生して海の方へ流れてきて霧雨になる。そこに横から日が差すからだと思われる。何年も当地にいて虹を見てはいるがこんなにはっきりと根元が見えたあるいは見える場所にいたのははじめてである。

火事になりかけた野焼きのこと: ある日いつもの散歩の途中前方に煙が大きく立ち上るのが見えたので見に行った。そうしたら畑の草を野焼きしていた火が畑の縁の竹に燃え移ったようでパン、パンと跳ねるような音をたてて燃えている。そのうち周囲の林の下生えにも燃え移り炎が林の木のてっぺんまで立ち上った。妻は消防に通報しようかと言ったが、作業をしていた人たちが木の枝で火をたたき消すのと平行して軽自動車に積んだタンクの水をホースを伸ばして林の中に入り込んで放水したらだんだん火勢が弱くなった。大きい声で連絡を取り合ってやっていたが、あわてている様子でもなかったのでいつもの手馴れた作業だったのかもしれない。

ニホンジネズミらしきこと: ある日道端に外傷もないネズミらしきものが死んでころがっていた。見た目からネットでそれらしき動物を調べてみたらニホンジネズミらしい。これはネズミと名前がついているがモグラの仲間だそうである。しかし地中ではなく地上で鋭く尖った歯で昆虫などを食べて生活しているので、前足がモグラのように発達せずネズミのような外見になったようである。日本の固有種で、北海道から本州、九州、四国とその周辺の島々のほとんどで確認され、九州より南では種子島(タネジネズミ)、屋久島(ヤクシマジネズミ)だけにいると言われていたが、トカラの中之島でも確認されたようである。

ナガサキアゲハのメスらしきこと: 時々散歩の途中弱った蝶が道に落ちていることがある。今回の蝶は、見た目からネットで調べるとナガサキアゲハらしい。翅のつけ根に赤の斑点があるのは雌雄共通だが、雄の翅はほぼ全体が黒く後翅の外縁にわずかに赤い斑点があるということなので雄ではないようである。雌は後翅の中央部に白の細長い斑点(翅脈とその周辺が黒く内側が白)が数個外向きに並びその外縁には赤の環状紋が並び尾状突起が無いということなのでナガサキアゲハのメスのようである。(日本では南のものほどメスの白色部が広くなる傾向があり九州や沖縄では前翅にまで白い部分が広がている。)

ちなみにナガサキアゲハという和名はシーボルトが長崎で最初に採集したことに由来するということだが、それ以前の日本人が見たり採集したりして名を付けていなかったのかと不思議な感じがする。またナガサキアゲハの幼虫はミカン科の栽培種各種を食のようである。草とするということだが、屋久島ではポンカン、タンカンなどの栽培が盛んでも無農薬は少なかろうから繁殖には厳しい環境かもしれない。


 
 Home   back