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  たわごと編: No.160  
  2013.04.22 鹿児島県でマダニ・ウィルス感染症で死者  
 
  4月8日のニュースによると、鹿児島でマダニの媒介するウィルスで重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症した女性が今月初め死亡した。今年になってから過去の死因不明者の死亡原因がマダニによる感染症と分かったという報道が続いていたが、今回は3月に発症した直近の例である。マダニによる感染症と判明した死亡例はこれで全国で6人目だそうである。

私の住む鹿児島県での例であることと、かつて犬を草の茂っている原っぱで遊ばせたとき、犬の背中にダニが付いてきたことが何回かあるので気になる。ダニは食いつくと血を吸い終わるまで何日も離れないので、いまのところ私はダニに食いつかれていないから安心だが、、散歩や敷地の縁の草むらでの庭いじりなどでダニに注意しなければいけない。

SFTSは中国で2009年ごろから感染例が見つかり、2011年に原因ウイルスが特定され、これまでに数百例の感染が報告されているとのことである。日本で特定されたウィルスは中国のものと型が違い、日本にもともとあったものらしい。SFTSの潜伏期間は、ダニに咬まれてから6日から2週間で、初期症状は発熱、倦怠感、食欲低下、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、頭痛、筋肉痛、けいれん、意識障害、皮下出血、血尿、血便、下血などが出る。ウイルスに感染しているかどうかは血液を検査すると血小板や白血球が減少していることから分かる。感染して死亡する割合は感染者総数が分からないのではっきりしないが、中国では10%前後と推定されているとのことである。

マダニに咬まれて感染する病気にリケッチア・ジャポニカという病原体による日本紅斑熱というのもあって、九州南部や四国・中国地方で多く発生しているそうである。咬まれてから2~10日後に発症し、その特徴は高熱・発疹・刺し口(ダニに刺されたところが5~10mmくらいに赤くはれたりかさぶたになる)で、風邪と間違うような悪寒や頭痛をともなう高熱、倦怠感が出るらしい。早めに医者に行けば大丈夫なようだが、遅れて重症化すると多臓器不全や播種性血管内凝固症候群(DIC)で死亡することもあるそうである(重症化したときの致死率20~40%)。野山や山林などマダニが生息しているところであればどこででも感染のおそれがあり、農作業中や山林作業、山菜取りなどで感染することが多いらしい。鹿児島県では届出によると去年17人の感染者が発生したそうである。これも気を付けておいた方がよさそうである。
(以上2013.04.09記)

(補足1)
2013.04.11
4月10日佐賀県発表によれば、県内北部で農業を営む60代男性がSFTSで昨年6月に死亡していたことを確認したとのことである。これで全国で死亡が確認されたのは7人目、判明した感染例としては11人目だそうである。

(補足2)
2013.04.17
4月16日山口県発表によれば、県内在住の60代女性がSFTSに感染し今月上旬に死亡したとのことである。3月末に山に行ってマダニに咬まれたらしい。山口県内での感染・死亡確認は2人目で、全国では8人目だそうである。


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