散歩の途中、道端の空き地に紅紫の花の中にちらっと白い花をつけているレンゲ草が目に入った。レンゲ草には白い花の種類もあるらしいが、ここの花はもともと白い花の種類ではないと思われる。ネットで見たところでは、花の色はいくつかの遺伝子の働きで原料となる物質から何段階かの化学変化を経て生成されるのだが、それらの遺伝子のどれかに欠陥が生じると色素がつくられず白い花になるということである。
何らかの原因で欠陥が生じたということになるが、県道沿いの人家に囲まれた空き地で咲いているから家庭で使用する化学製品あるいは車の排ガスなどの影響があるのかも知れない。野草の種類により異なるが自然に白い花が生まれる確率は、数万株~10万株に1株くらいで、遺伝子の欠陥で生じた白い花は紫外線や病気、害虫に弱く、昆虫による受粉も受け難いので一代限りで終わってしまうことが多いらしい。
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紅紫に混じって白い花のレンゲ草 |
よく見る畑のレンゲ草 |
当地ではレンゲ草は紅紫色の花が畑一面に広がって咲いているのがよく見られる。一般にレンゲ草は農家などが前年の秋ごろにわざわざ種子をまくものらしい。当地で私は種子をまいているのに気づいたことがないし、今回みたいに人家そばの空き地で咲いていたりするので、以前に一回まいたものが後は種子が散って自然に続いてきているのも知れない。ネットで見たところでは、レンゲ草は根っこにある根粒に細菌を住まわせ、根粒菌がその働きで空気中の窒素を植物の使える形にした養分をもらうのだそうである。そしてその養分・窒素をレンゲ草が蓄えるので、畑を耕してレンゲ草を土に混ぜ込むと肥料になる。わざわざ畑に種子をまくのは肥料にするためということらしい。こういう肥料を緑肥と言うらしいが、クローバーも緑肥になるということである。
当地で一般的に見られない白い花についてはレンゲ草以外に、私は以前県道の歩道縁の草むらの中に白く咲くアザミを見つけたことがある。歩道の縁が草ぼうぼうにならないようにコンクリを打つ工事が始まったとき、それで消えてしまうのがおしいと思って株を抜いて来てわが家の庭の縁に移植した。それから何年経ったか、今年も芽を出しているから白い花のアザミを見ることが出来ると思われる。レンゲ草は今までに何回か一株手元で見られるようにと移植して見たがつかない。種子をまかないとダメなようだがそこまでする気はない。季節に畑一面レンゲ草の景色を眺める、それが一番のようである。
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屋久島生活の断片・日誌編:
No.216 白アザミのこと(2) [2007(H19).04.16]
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