My logbook : 屋久島方丈記 
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  日誌編: No.134  
  2012.11.19  散歩で初めて見かけた花と鳥  
 
 
まず花のことである。ほとんど毎日散歩していて毎年のように通る道で今回初めて気がついた花がある。畑の縁に植わっていた芙蓉らしき葉の木に紅と白の花が咲いているので珍しいと思って写真に撮った。家に帰ってネットで見てみると、スイフヨウ(酔芙蓉)というようである。普通の芙蓉は一重咲きだが、スイフヨウは八重咲きのようである。同じ木に紅と白の花がついているのは、花は時間が経つにつれて白く咲いた花が淡い紅色そして紅色に変色していくのだが、花それぞれ開き始める時間が異なりすべての花の変色が同時進行しないからそうなるようである。その変色過程が酒を飲むと顔色がだんだんと赤みを帯びるのに似ているとして酔芙蓉と言われるようになったらしい。屋久島に自生していなそうだから多分誰かが自分の畑の縁に園芸種の苗を植えたもののようである。

(写真・左: スイフヨウ_紅と白の花が開いている)
(写真・右: スイフヨウ_開いている白い花と萎んだ紅い花)


屋久島でよく見かけるフヨウ(芙蓉)はサキシマフヨウ(先島芙蓉)という種類である。野生でわが家近辺ではそこら辺至るところにと言って良いほど生えている。道端や畑の縁に知らぬ間に生えてきてしまうようで、花の咲く時期になると散歩中目に入らぬことはないくらいの花盛りになる。私の家の庭にもこの木が生えてきたことがあるが、花が白っぽくあまり趣がないので好きになれず切ってしまった。サキシマフヨウはネットで見たところ、分布範囲は鹿児島県西部の島から沖縄にかけてで、生育場所は散歩で見る状況どおりで海岸沿いの平地、斜面下部、丘陵地帯の林縁、農耕地の周辺、伐採跡などでいわゆるフロンティア植物のようである。花の色は濃いピンク色のものから真っ白のものまであるということだが、私はピンク色寄りの花にめぐり逢うことは稀で白っぽい花を見ることが多い。葉には美肌用化粧品に配合されたりしている女性ホルモンを増やす成分があるそうである。

(写真・左: サキシマフヨウ_それなりに美しく見える花)
(写真・右: サキシマフヨウ_こういう景色の印象からもあまり好きになれない)


次いで鳥のことである。散歩で農道を歩いていたら道の真ん中辺りに鳥の死骸が転がっていた。胸の右横あるいは羽の付け根あたりに傷がある。私はこの種類の鳥を見るのは初めてである。珍しい鳥かと思って写真を撮ってきた。家に帰ってから屋久島の鳥の本を見たらをオオバンという旅鳥・冬鳥ということである。ネットで見たオオバンの特徴としては、雌雄同色、頭と頸部が黒色、額板は白色。背から下の上面、翼、尾は灰黒色で次列風切の先端に白色の斑があり下面は灰黒色。 嘴は白く、脚は暗い青緑色で、木の葉状の弁足(水掻き代わりに指の周りにビラビラが付いた足)が挙げられている。

 
(写真・左: 農道に死んで転がっていたオオバン)
(写真・右: 泳ぐオオバン_ネットで入手の生きている姿の例)


日本では、主に北海道、本州中部以北で繁殖し、本州各地でも少数が繁殖する。東北地方以北のものは、冬、南へ渡って越冬し、冬に小笠原諸島、琉球諸島でも見られるということだから、今回の死骸、屋久島に来たオオバンは東北以北から旅してきたのかも知れない。湿地で生息し水面を泳いで水草の葉、種子を採食、潜水をしてヒメガマなどの茎を採食する。水辺の昆虫、貝、甲殻類なども捕食するということだが、わが家の近辺に適当な場所は見当たらない。目的地は屋久島ではなく、どこかへ行く旅の途中トンビか何かに襲われて死んでしまったのかも知れない。

補足: オオバン_平内川にて
2014.11.10
散歩で県道の橋を通りかかったら上流側のすぐそばで水面を泳いでいた。生きているのを見るのは初めてである。


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屋久島生活の断片・日誌編:
   No.236  
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