7月の中頃のある朝、玄関を出て庭の方へ行こうして風呂場そばを通ったとき、外壁下端付近にいわゆる面状的多角形のクモの巣とは異なるクモの網あるいは糸にクモの何倍もあるムシが引っかかってもがいているのが見えた。クモはムシのそばに寄ってちょっかいを出している感じに見えるが虫が弱っていないからかすぐ離れて様子を見ているようである。しばらく見ていたが何回もそれを繰り返しているので飽きてその場を離れた。
(写真・上左: 1_朝見つけたクモの糸にかかったムシ)
(写真・上右: 2_午後動かなくなったムシと留まっているクモ)
(写真・下左: 3_翌日下に落ちていたムシの死骸)
(写真・下右: 別の場所で見たクモの糸にかかっているカミキキリムシ)
午後になって見に行くとムシは上の方に吊り上げられていてもう動かない。クモはムシの腹部に留まってこれも動かない。体液を吸うか何かしているのだと思われる。しばらく見ていたのだが同じ状況で動かないからまた飽きてその場を離れた。
翌朝どうなったかと見に行ったら、ムシは下に落ちていた。クモは外壁と基礎コンクリの隙間かどこかに巣があって隠れているのかあるいは場所を変えるので移動したものと思われる。張っていた糸がほとんど見当たらなくなっていたので、移動した可能性が高い。ムシは食べられたような形跡がないが、クモは消化液を獲物の体内に注入し液体にして飲み込むということなので食べ終わたあと中身が空っぽになっているらしい。
ネットで見たところでは、いわゆる面状多角形的な巣を張らないクモで家の回りにいて自分の体の何倍もの獲物をとるところから見て、多分このクモはオオヒメグモではないかと思われる。オオヒメグモは体長オス4~5mm、メス7~8mm、日本全土で一年中見られ小型昆虫を捕食しているそうである。メスは腹部がほぼ球体をしているというから、今回のクモはオオヒメグモならメスだと思われる。ヒメグモという名は小さいクモという意味だと思うが、オオヒメグモは大きい小さいクモということになり矛盾した名である。自分の体より何倍もの大きな獲物をとる小さなクモというのが命名理由かもしれない。
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屋久島生活の断片・日誌編:
No.201 クモのこと [2006(H18).09.11]
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