これをしばらく見ていたのだが、まったく動く気配が無い。それから二日位して見たら、今度はカナブンが引っかかっていた。蝶のとき同様クモはへばりついたまま動かない。どうもエサを食うというのはじっくりへばりついたまま体液を吸いつくすことではないかと思われる。それからまた二日位した朝、巣のあった場所を見たらカナブンの残骸もクモも見えなくなっていた。
クモは巣を張ったら辛抱強くエサがかかるまで微動もせず待つようである。そしてエサがかかったらへばりついて時間をかけて体液を吸い尽くし、また別の場所に巣を張るらしい。わたしの見たところ、巣を張って待つ、餌がかかって食う、新たに巣を張って待つ、またエサがかかって食う、それぞれ二日をかけている。食うに要する二日はあまり変動しそうにないが、エサがかかるまでどのくらいの間同じ場所で待つものなのか、一定時間待ってもかからなければ場所を移すのだろうが、ずっとかからなければどうなるのか、気になるところである。
このクモはコガネグモというようである。鹿児島でクモ合戦をするクモだそうである。巣の張り方を見ていると同じような模様の巣は庭のツツジの植え込みに何個もあるのだが、大きさは小さくクモもゴミとでもいうような小ささで、大きさがこんなに大きいのは初めてである。我が家の庭でよく目に付くのはジョロウグモである。木と木の間の通路に巣を張るのでゴミを捨てにコンポストに行くときよく頭に引っかかったりする。比較的小さいものが多く、大きくなったものはたまにしかお目にかからない。あたりかまわず巣を張るので邪魔で箒で払って殺してしまうからかもしれない。