犬の散歩をするようになってからのいつ頃からか、毎年1月ころに道端のクチナシの木から実を採るようになった。初夏に花の咲いている木を見つけては場所を憶えておく。そして実が採れ頃になった1月に採る。散歩道を順に回って目をつけておいた木の実を採ってくる。妻が草木染め用に実を集めたいと言い出してから大体毎年集めてきた。集めた実は冷凍庫に保管しておいて染めるときに使うのだが、一周1時間くらいの散歩コースで一回集めても大した量にはならないがそれで年一回羊毛を染めてみていたようである。
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クチナシで染め乾燥中の羊毛 |
カードした羊毛
オレンジ色がクチナシ混色 |
昨年はそのことを知っている隣の集落に住んでいる知り合いから家のそばにクチナシの木が相当数あって実が一杯なるので採りに来たらというはなしがあった。まだ採りに行っていない今年の1月にある駐車場でその家の人の車に私がバックしていて車をぶつけてしまった。損傷は互いに軽微だったが、お詫びのやり取りをするなかである日相手の人が自分でクチナシの実をかなり大量に採って持ってきてくれた。
それを冷凍保存しておいたのだが、春になって妻が今年の作品用に羊毛を染め始めるにあたってまずそのクチナシで染めた。一染、二染と同じ液で二回に染めた。一回目の染では濃く染まるが二回目の残液での染めでは色が薄くなる。糸を紡ぐときは単色ではなく混色するので色合いに応じてそれぞれ使い分けているようである。クチナシは日光堅牢度が低いつまり色褪せしやすいのでなかなか使うのが難しいと言われている。妻はその対策として実を沢山使用して濃く染めるようにしているとのことである。今までのところ実績としては褪色はあまり気にならない程度らしい。
例年はクチナシでは少量しか染められなかったが、今年は例年の倍くらい染められたようである。他の知人から貰ったハーブで染めたりいろんな色で染めた原毛と混色したりして色を作って試している段階だがまだ紡ぐ段階には進んでいないから糸になったらどんな感じになるかは分からない。
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屋久島生活の断片・日誌編:
No.05 手紡ぎのこと [2000(H12).05.28]
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