屋久島生活の断片・日誌編
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No.05 手紡ぎのこと (H12.05.28)

6月8日から妻が上京する。大半は娘のところに泊まるが数日は実家にて過ごす。先日来親兄弟から歓迎と日程調整の電話がある。私の場合は多分こうはならない。ちょっとねたましく思うこともある。みんなが雅子さまーというのをみている皇太子の気分かもしれない。

妻が上京すると手紡ぎ毛糸を置いてもらうブティックにサンプルを持っていく。お客さんが希望するものが後日発注される。わざわざ持っていくのはそこのオーナーの目が肥えているのでいろいろアドバイスをもらい来年に備えるためである。下の写真が今年のサンプルの一部である。

以下手紡ぎの工程の紹介である なぜ趣味なのか解る。

1 紡ぎの材料は羊毛である。羊毛はフリースといい羊から刈り取った状態のものを輸入業者から購入する。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドのものが主である。糞と小便にまみれた臭いがする。

2 洗毛つまりフリースを洗う。汚れと油分を取り乾燥させる。(ナチュラルカラーで使用する場合は4項にいく。染色する場合は3項にいく。)

3 草木染をする。妻は草木染めをしている。近辺の草木などを集め材料にする。しかし大体淡から濃の茶色くすんだ緑くらいにしか染まらないものが多い。だから赤や青系統は業者から購入した草木染め材料を用いる。

ガスレンジで染めている 染めたら乾燥させる

4 カードする。即ち梳いて繊維を揃え紡ぎやすくする。ハンドカードだと量をこなせないのでモーター駆動のカード機を使用している。(単色なら6項へいく。混色なら5項へいく。)

5 混色の場合カードした単色の毛を各色混合比率分用意する。それを再度混ぜながらカードする。

6 紡ぐ、即ちカードした繊維を毛糸にする。紡毛機を用いる。編物用の毛糸は比較的太め織物用は細めに紡ぐ。(今回のサンプルは編物用である。妻が自分で使うのは織物用である。)

7 撚り止めをする、即ち蒸す。編物用はその後高温の湯につける。そして乾燥させると糸が出来あがる。

セータ1着分600グラムを6から7の工程で10日かかる。1からだと1ヶ月くらいかかる。

 
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