My logbook : 屋久島方丈記 
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  たわごと編: No.101  
  2012.04.30 嫌な時代になリつつあるのではと心配  
 
  私は10年以上前からCS放送を視聴している。主にニュース系と海外ドラマ系を見ている。ニュース系については地上波放送で接することが少ないジャーナリズムを感じさせる番組ということでニュース専門チャンネルと言われている「朝日ニュースター」の「ニュースの深層」と「愛川欽也~パックインジャーナル」を中心に見てきた。

その「朝日ニュースター」のことである。この4月からテレビ朝日の子会社になってしまって「愛川欽也~パックインジャーナル」という番組はなくなってしまった。「ニュースの深層」は続いているが、今までのようにインタビューするキャスターによって番組が作られている感じがしない。アナウンサーが司会をしそのもとでキャスターらしきがゲストと対談する形式で誰かが企画したものをこなしている感じなのである。今までも女性アシスタントはいたがほとんどの中身はキャスターが選んだゲストにキャスターが直接インタビューするというものだった。そしてキャスターその人の存在があってこその番組内容だった。

キャスターを選ぶのは放送局だろうが、以前はジャーナリズムメディアとしての多様な視点を感じさせるような人選であったように思える。4月以降のキャスターもそれなりの人たちなのだろうが、精彩が感じられないのは新体制になった放送局の視点が番組の構成に影響を与えてのことかもしれない。新しい「朝日ニュースター」の番組編成を見てみるとこれがニュース専門チャンネルかと思うようなものである。いまの政治は閉塞感が漂いその政治に追従するようなメディアが多い状況の中、いままでの朝日ニュースターはそれに距離を置いているという印象を持っていたのだが、そういうメディアが消えてしまった感がある。

なぜこんなことになったのかと思いネットでの関連情報を見たりしたのだが、やはり親会社の追従姿勢にあるのではないかという感がする。親会社のような性格のメディアから見れば「ニュースの深層」と「愛川欽也~パックインジャーナル」は鬼っ子的存在だったようである。そういう存在としてのジャーナリズム精神が政官財の怒りを買っていたという見方がある。そして親会社は政官財の怒りを鎮めるため「朝日ニュースター」の組織改編を行い、その結果今回のようになったということらしい。4月の番組表を見てみればジャーナリズム精神すなわち多様な視点から報道・解説・批評をして行こうとする精神を感じさせる番組残っているのかいないのか判然とせず、無難なサッカーや野球そして地上波のディレイ番組が多くなっている。

こういう状況を勘ぐって考えればメディアが権力に耳の痛い政治的批判を封じなければいけないほどの状況にいまの日本はなりつつあるのかも知れないと心配になってくる。もし「朝日ニュースター」の変わり様がそういう状況の証だったとしたらとても気になる。そしてこの4月から新構成になった「ニュースの深層」を何週か見てみたのだが、私は「朝日ニュースター」でもう見る番組はなくなってしまった気持ちになっているのである。


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