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妻は手紡ぎ・手織りを趣味にしている。織っているとき以前から見ているのでそんなものかと思っていたのだが、最近見ていて織っている織り譜の表記が音楽の楽譜方式なのがなんでなのかと思うようになった。
妻の持っている本などを見ると一般に出回っている表記は、パターンの上辺と右辺に糸と綜絖が対応する格子状のマス目があって縦糸の綜絖への通し方と横糸を通すための綜絖の上げ下げをマス目を埋めて示す方式だったり、パターンの上辺と右辺に綜絖を表す直線を引いてその線上に縦糸を通す綜絖と横糸を通すために上げ下げをする綜絖を糸に対応してマークする方式のようである。
(写真・上左と右: 織り機と織り譜の固定)
(写真・中左: 格子状のマス目埋め方式の織り譜の一例)
(写真・中右: 直線にマーク方式の織り譜の一例)
(写真・下左: 妻の作成した楽譜方式の織り譜の一例)
(写真・下右: 妻の織りデータシートの一例)
どうして楽譜方式にしているのかと妻に聞いてみたら、30年くらい前に織りを教わった先生が教えてくれたそうである。その先生もむかしは外国のパターンブックにあるマス目方式の織り譜を利用していたようなのだが、複雑な模様を織ろうとするとき見にくく見落としやすかったらしい。それを見てエレクトロン奏者のお嬢さんが楽譜方式にすることを考えてくれた。楽譜と違うところは線の間だけにマークするところで、格子方式と直線方式の折衷みたいな感じである。それが妻の使っている楽譜方式で、妻はそれを習って以来今まで使っているということである。
綜絖への縦糸の通し方は準備段階で見るだけであるが、これは従来通り横書きになる。織る作業は綜絖を上げ下げし横糸を通すのだがこれの織り譜は楽譜のように横書きのほうが見やすく見落としもない。少なくとも妻はそう感じているようである。妻は音楽帳の五線紙みたいなものを作り一枚の楽譜のような織り譜には縦糸パートと横糸パートを書き込んでいる。本に出ている従来の織り譜で示されたパターンを織る場合は楽譜方式に書き換えてそれを見ながら織る。
楽譜方式に便利なところがあって楽譜の記号も有効に使用している。マークは音符の丸い部分である。綜絖の上げ下げには同時操作するマークを音符の棒でつないで分かりやすくしている。色の違いは全音譜と四分音符の黒丸、空き羽にするところは四分休符、丸羽にするにはマークをスラーでつなぐ。縦線はパターンの区切りという具合である。また楽譜方式は楽譜のように次の横列につなげるのだが縦列でつなげるより織り譜用紙のスペース効率が良いらしい。妻はこの織り譜を織り機の織り譜台(簡単な細い板の先にクリップが付いている)などに固定して間違わぬよう常に見ながら織っているようである。
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屋久島方丈記・日誌編::
No.7 粗筬の取り付け変更 (2010.07.05)
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