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  たわごと編: No.52  
  2011.05.30 離島ガソリン流通コスト支援事業  
 
  経済産業省の補助金による事業で屋久島町ではガソリンが5月1日から屋久島で7円/リットル、口永良部島で15円/リットル値引きされることになった。この事業は本土に比べて割高な離島のガソリン小売価格を実質的に下げることを目的として値引き販売した分を国が販売店に補助するというもので、島ごとに値引き単価を設定することになっている(町のHPで広報されているところを見ると町が決めることになっていると思われる)。値引き分補助の予算は全国離島分の総額26億円ということである。

従来の価格差から見れば私の住んでいる屋久島の7円/リットルでは本土並にはまだまだ届かないが、それなりに安くなったものを購入していることになるようである。私はその効用より値引き補助の考え方に関心がある。本土に比べて割高な離島の小売価格を実質的に下げることを目的としているというところである。よく田舎は暮らしやすいと言われているが、経済面についてはそういう見方は当たらないということを国が認めているわけである。

田舎は所得水準が一般に都会より低いということはよく言われているが、離島の当地もその類に漏れないと思われる。支出については、地産地消・百円市で地元産野菜が買えることはあるが品種が限られているし安定供給されない。ほとんどの日常の食品や日用品は島外から来る。わが家が移住したあとの家計を見れば都会より生活費が高くなっている。商品価格が高めなのだがその理由としてよく輸送費がかかるからと言われている。収入は少ないと言われているのに支出・生活費は本土・都会より多くなる。仮に本土・都会で離島の当地と同額の生活費に使える金を持っていたとしても同じ日用品の類を購入しようとすれば当地より安く入手できるから余裕がでることになる。

離島の当地のような田舎の方が収入が低いのに商品やサービスの価格は高いとなれば、買ったり利用したりすることを絞って暮らすことになる。田舎暮らしでシンプルライフというのはそういう一面を美化して言っているという一面もある。しかし本土あるいは都会の人並みに生活をいろいろ楽しみたい。つまりもう少しお金を他のことにも回せる余裕がほしい。そこで生活支出に関わる事柄についてはせめて本土・都会並みにという願望を持つのは当然のことだと思われる。

例えば都会では家を持つ費用は田舎に比べ高い。だからそういう類の事情を理解すれば収入は都会並みでなくてもよいだろう。そしてその違いを差し引いた残り、日常の生活に係わる出費可能額が同じなら生活水準は同じになるように思えるが、当地のような田舎では同じものを高く買わなければならず同じサービスも割高になってしまうのである。さらには本土・都会と同額でもサービスの質が保証されないものもある。

今回の離島ガソリン流通コスト支援事業はこういう商品及びサービスの価格を本土並みにする試みの一つかなということで私は関心があるのである。それなりの対象範囲で商品及びサービスの価格を本土並みにするにはそれなりに原資が必要になると思われる。今回の試みや電話料金のユニバーサルサービス例などから考えれば、値引き業者への補助金の他に企業などが利用料や価格の設定にユニバーサルサービス分を上乗せし全国一律料金・価格にして都会・本土と離島のような田舎との価格差を穴埋めすることなど(一方で離島発送のコストを本土並みにするというようなことも)が考えられる。生活水準が低いままの離島のような田舎は住む人が減ってくる可能性がある。国土保全・防衛にも活気ある田舎があまねく存在することが望ましいと国が思っているならば、地元の自助努力が必要なことは言うまでもないが、それを超える何らかの措置は必要であると思われる。

以下、私のサービス内容や価格についての個人的な不満などである。例えばブロードバンド回線の末端でリンク確立やっとこの場所で初めはNTTからADSLは無理と言われたくらいだからダウンロードスピードが遅い。いまどきソフト(例えばシステムのサービスパックなど)の更新ダウンロードに一時間近くかかることもあるのはいかがかと思う。光の道でも無線でも良い、高速通信サービスを都会並みに提供してほしい。音楽や映画も数分もかからずダウンロード出来れば都会並みの楽しみも増える。中継動画やニュースなども見易くなる。また、インターネットで田舎にないものや安いものを探して注文しても配送料が割増になることがある。本土並みの距離での差異は致し方ないにしてもそれに上乗せの離島追加料金は無くしてほしい。その他の流通・交通サービスや医療についても離島であるがゆえの負担とか不安がさらに減らないかなと思っている。

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