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春になったある日、庭の隅にあるクスノキの方を見たら陽の光に照らされて新芽の葉の色が花でも咲いているように綺麗に見えた。クスノキは常緑だが春になると柔らかそうな赤い新芽の葉を伸ばしそのうち葉が黄緑色になってやがて深緑の硬い葉になる。散歩していると初めから若草色の葉を出す木よりこういう新芽の葉が赤っぽくなる木が多い気がする。
写真・左: クスノキ(陽の光があたって綺麗だと思ったとき)
写真・中: アカメガシワ(家の近くの空き地の縁にて)
写真・右: バンマツリ(まだ黒っぽさが残っている大きくなりつつある葉)
ネットで調べたところでは、なぜ新芽で赤い葉が出るのかというと芽を出したては葉に葉緑素がなく紫外線から防御するためだということである。また新芽には動物に食われないように苦味を出すアルカロイドという毒があってアントシアニンによる赤い色はそれを知らしめる警戒色でもあるらしい。
赤い新芽の葉でむかしから知っていた有名な木はカナメモチだが、当地でも垣根にしている家が何軒かあって見かける。私も引っ越してきた当時10本くらい苗木を買ってきて家の周りに植えたのだがわが家ではうまく育たなかった。そのあとに植えたツツジ・サツキは今綺麗に花を咲かせつつある。
赤い新芽の葉で私が綺麗だと思う他の木はアカメガシワである。この木の葉は光沢がなくつや消しの落ち着いた赤に見えるところが好きである。しかしながら木それ自体は好きでない。わが家の周りでは土地開発し何も生えていなかったところによく生え始める木である。そして花とも見えない密集した細かな花が付いてそれが種になって飛散するらしく庭とか家の周辺の木のまばらなところに生えてくるので草むしりみたいに抜かないといけない。あまり近くに生やしたくない木である。
赤い葉ではないが、私が綺麗だと思うのにバンマツリの木がある。この木の葉もやがて緑になるのだが新芽は黒っぽい葉が出る。いわゆる葉っぱらしい形になる前の出始めのころ散歩で歩道沿いに植わっているところを逆光側から歩いて行くと黒っぽい小さな葉がすけて濃淡のある紫色に見える。そのすけて輝くような紫色が私には綺麗で面白く思える。黒っぽいほどの紫色というのは赤い新芽の葉よりアントシアニンが濃いのかも知れないと思ったりしているが、そういうはなしは私がネットで見る限りでは見当たらないから他の成分によるのかも知れない。
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屋久島方丈記・日誌編:
No.399 春の色_色づいて落ちる葉もある (2017.04.24)
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