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私は二十何年以上前から寝るときにヘッドフォンで音楽を聴いてきた。カセットテープのウォークマンに始まって次はCDウォークマン、それが壊れてからしばし中断。何年か前にiPodの40GBを購入してから再開した。当地に来て初めて志ん生の落語CDを買ったらなかなか魅力的だったので落語のCDも少し集めたが、iPodには今までに集めてきた音楽CDとそれらの落語CDをコピーしていれてある。
最近は仕事や人間関係で気にすることも殆ど無いからすっきり眠れることが多い。でも体調が悪いとき例えば死ぬときのことが頭に浮かんで来るなどしてなんとなく気分が落ち込んで音楽を聴いてもしっくり来ないことがある。聴いていると音楽が気持ちになじまないというか雑音ではないのだが聴いていることで不安感が増すような嫌な感じになって来ることがある。どういうことか分らないがときにその音楽と気分の相性が悪くなるようである。
ところがこれまでの何年間かの経験では落語の場合、どんな気分のときでも寝るときになんとなく聴いて気に障らずそのまま眠りに入っていけるのである。音楽の場合はどんな気分のときでもとはいかず、しばしば1時間聴いても眠れないことがある。落語の場合はまくらで眠ってしまい本題に入らないことも多いくらいに早く眠りにつける。落語を終いまで聴くには起きているときでないといけない。これは私に限ったことかも知れないが、変な思いが浮かんできて気になることがないからと思われる。
なぜなのか考えるに、人のはなし声に秘密があるような気がする。それも活気のあるはなし声、感情的な言葉のテンポや抑揚が良いのではないかという感じがする。むかし一時、NHKで森繁と加藤道子だったかのラジオ小説というような番組があってそれを聴いていた。あの陰気くさい沈み込むような朗読を聴いていて内容を聴くよりはその雰囲気によく憂鬱な気分になったことがある。他にもそれに似たことはいくつかあったから、それでやはり落語のような生気あふれるようなものが良いということかと思っているのである。
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屋久島生活の断片・日誌編:
No.218 数独と落語のこと [2007(H19).05.14]
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