|
|
白花薊(白いノアザミ) |
一般的な野薊(ノアザミ) |
屋久島の植物の本を見ると、この時期咲くアザミは野アザミだとある。白いアザミは私の見つけた一株だけで、周りにたくさん見られるアザミはみんな紫色のものばかりだったから、なぜそれだけが白いのかと気になってインタネットで調べてみた。検索してもやり方が悪いのか、本格的なアザミの全てのようなページにめぐり合わなかった。アザミに思い入れのあるページや野草の写真を趣味にしているところが多い。そういうところで見たものを、集約すると以下のようである。
自生の野アザミはほとんどが淡紫色だが、突然変異で色が変わるらしい。淡紫色が突然変化して白色や淡紅色になるということである。それを株分けして栽培すれば、その色がそのまま残る。園芸品ではドイツアザミと呼ばれ、花の色に紫、紅、淡紅、白などがあるが、多様な色があるのは突然変異の株を育てたもののようである。
白いアザミは白花薊といって野薊(Cirsium
japonicum)の白花種と分類されている。白いアザミの花言葉は「自立心」だそうである。紅は「触れないで」らしいが、アザミには「権威・触れないで・独立・厳格・復讐・満足・安心」などいろいろあるらしい。珍しい色のものはその中から珍しさを連想する言葉が選ばれているように思える。スコットランドでは外敵の侵入からそのトゲトゲで自国を守ったとしてアザミがシンボルマークになっているとのことだが、いくつもの花言葉を見るとその発端はそのあたりという感じもする。
日本でアザミと呼ばれる由来については、いくつかの説があるようである。(1)「花に魅かれて触ると葉のトゲに刺される」つまり「あざむく」が変化して「アザミ」となった。(2)沖縄の八重山では、とげを「アザ」と呼ぶことから、「アザギ」(とげの多い木)と呼ばれ、次第に「アザミ」になった。(3)「アザム」という言葉に由来するという説。「アザム」には「驚きあきれる」とか「興ざめする」の意味があり、花が美しいので手折ろうとするとトゲにさされて痛いので、「驚きあきれ、興ざめする」ということから「アザミ」の名がついた。
私は屋久島に越してきた当時、野に咲いているアザミが綺麗だったので、一株取ってきて庭の隅に植えた。だが、他の草花を手入れするとき、そのトゲトゲにいらいらして、一年で引っこ抜いてしまった。遠くから見ている分にはよいが、触れば痛い目にあって興ざめの美人を連想させる(3)の名前の由来が私には面白く思える。
No.216 白アザミのこと(2) (H19.04.16)