屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.321 これからに不安のこと  (H21.10.12)

日本がこのままではダメになると言っていた中川昭一元財務大臣が亡くなった。彼の言う日本がダメになるという根拠に通じていないが、私にもなんとなく日本のこれからに不安がある。それに関連して以下私が日ごろ気にしていることの一つである。

宮城谷昌光の中国の春秋戦国時代の優れた人物を主人公にした小説を読んだことがあるが、移動手段も限られ何年かに一度くらいしか会うことのないと思われる優れた相手に邂逅し、互いに相手を見てあいつは信ずるに足ると認め合って後はその判断に基づいてものごとに対応していく。

そして一時裏切られているように見える状況になると人を見る目がない者たちは騒ぐ。しかし最後は互いの暗黙の約束が果たされていくというような展開があったような記憶がある。そしてまた私はその互いの約束をいぶかしんで騒ぐものを抑え自分の判断を貫くことができたのは専制君主の時代の権力者だからだろうなという印象を持った記憶がある。

同じようなことをいまの民主主義の世の中で日本のリーダーがやろうとする場合、それが信じるにたる課題だとして例に挙げるが、例えば核廃絶とかアメリカとの従属関係の改善とかの問題では、国内では核反対原理主義的な人たちが現実的プロセスに過剰反応して進展阻止に走ったり、アメリカでは日本の思い上がりとばかり阻止に走る勢力が出てくると思われる。そこで現実的プロセスと原理とが調和していると見せかけたり、それと相手に知らしめないでなんとなく進展を図ることも必要になる。

もし仮に民主主義の今の世でリーダーたらんとする人たちの中に互いに相手を肝胆合い照らす人と見極め合える人物がいたとしても、リーダーを選ぶ自分たち国民がそのリーダーたらんとする人物に信頼を託すべきと判断できるかどうかが問題になってくる。いまの民主主義では普通の人々は政治家と対峙して人を見抜くというプロセスを踏む機会は少なく、人気とか噂とか時のメディアの雰囲気に影響されやすい。

後になって真のリーダーだったと言われることになる人であってもいわゆる世論との調和を図りながらリーダーに登りつめなければならない。そしてリーダーになってからもその調和に気配りしながら、なんとなくことを進めて最終的には国民の信頼に応える結果を得なければならないこともでてくる。世界を相手になんとなく思い通りの方向へ持って行ったり自国民や反対勢力をなだめすかす芸も必要になる。

日本がダメになると言っていた中川昭一元財務大臣が亡くなった。彼の言う日本がダメになるという根拠に通じていないが、私にもなんとなく日本のこれからに不安がある。そしてリーダーにはそれを解消してくれる人物を期待している。またそういう人物を直に見る機会のある議員やジャーナリストにはその人物の先にある本質を見通す眼力を期待したい。最終的に国民の信頼に応える結果に向かっているときには人気とか噂とか時のメディアの雰囲気に迎合しない腹をみせてほしい。私などはなんとなく信頼できそうということで選挙で選んでいるから当たりかどうかは結果が出るまで分らない。選んだその後はただただうまくやってくれと見守るしか芸がない。

No.340 軽薄な約束のこと  [H22(2010).05.11]


 
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