屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
                     Home > 目次_top  >  記事

No.269 屋久島(145):ある事件のこと(2)    (H20.05.12)

以前、2002年(平成14年)6月14日のNo.96 ある事件のこと」の事件を起こした近所の一人暮らしの男性(ニュースでは69歳となっていたが71歳という情報もある)が、5月4日夕刻行方不明になり翌日崖から転落して死亡しているのが発見された。当時から一人暮らしは危ないのではないかと近所では噂の人だった。駐在さんが交替すると名簿を確認に来るがそのときはいつも状況を聞かれるくらい警察でも注意していた人のようだった。

一人暮らしで人を寄せ付けないで暮らしているようで、私は犬の散歩時に目が合えば会釈程度の挨拶はするがはなしをしたことはない。毎日介護関係の人がやってくる。ときどき運動のため家の前を歩いているのを見かけるが足が不自由な感じのすり足の歩き方である。

糖尿病で毎日3回注射をしているとか、病気のせいで眼も悪いという情報もあった。それでか、以前側溝に突っ込んでから車はやめ売り払ったようである。また前の事件のときいない子どもがいなくなったと騒いだのは糖尿病の影響だとかいう噂もされていたが、認知症になっていたのかも知れない。当時当地のある人が家族に一人暮らしをさせず連れて帰ったらと言ったらしいが、仕事の都合もあってか家族は取り合わなかったようである。

今回の事件の半月くらい前のことらしいが、近所の人が散歩中事件の男性が徘徊しているのを見かけ家に連れ戻そうとしたが空港に行くと言いつのって言うことを聞かないので、どこかに通報して家に連れ戻してもらったようである。それで家族に通報が行ったのか連休前に家族が来ていた。そして何日かして帰ったようだが、それから一週間くらいで今回の事件である。一緒に暮らさずたまに来て見ている短い間何事もなければ家族は症状を過小評価してしまうと思われる。本人は自分はおかしくないと思っているわけだから、それであぶない一人暮らしが続く。その結末が今回の事件になった感じがする。

さて、5月4日夕刻6時前頃ではないかと思われる。我が家の犬が吠えて知らぬ通行人を知らせるので妻が窓から外を見たら事件の男性が室内用らしきスリッパ履きで道を歩いて行くのが見えた。最近は自分の家の前の道だけでなくこっちの方まで来るくらい元気に歩けるようになったのだと妻は思ったそうである。そして時間が経って暗くなってから外の車の通りが騒がしくなってパトカーも来た。そこで出て行って様子を聞いたら行方不明とのことである。介護か何かの人が様子を見に来たら家に明かりはついているのに人がいないので通報したとのことだが、この日も日中県道にいるところを家に連れ戻されていたらしい。先日の空港へ行くというはなしと絡めてみると、家族のところへ行きたかったのかも知れない。

翌日になってからの聞き込みでは我が家で見かけたあと農道のもう一箇所で数人見かけた人がいてその後目撃者は出ていないということである。そこで午後になって集中的に農道周辺を捜索していたら小島のカマガサキという釣り場に行く横道の先の高さ50mくらいの崖の下に転落し死亡しているのを消防団員が発見したようである。農道から海側に入る道は舗装されていないがたがた道だし、その道から崖側に出る道はないと思われる。スリッパは途中で脱いだか脱げていたらしいが、スリッパ履きや裸足のすり足歩行みたいな歩き方では普通行かないように思える。なぜ行ったか不思議である。また夜、明りが全く無い道らしき道でないところを歩くのは難しい。まだ明るいうちに行ったとしか考えられない。何か行く意思があって行ったような気がして気になっている。

補足: 集落の捜索活動のこと  (H20.05.24)

捜索に当たっては本部が平内生活館(公民館)に置かれ、集落で捜索要員要請の放送が流され相当の数の人が応じたようである。婦人会はその人たちのため炊き出しをしたとのことである。区長以下苦労されたようである。

No.96 屋久島(52):ある事件のこと(1) (H14.06.17)


 
 Home   back