屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.243 屋久島(134):町議選挙のこと(2)  H19.05.07)

今回の屋久町の町議選で選ばれた議員は合併後の屋久島町の議員にもなる。それで定員も減り12人となった。20人(内女性1人)立候補したが、当選したのはすべて地元出身の人(全員男性)だったようである。

広報を見る限りでは、町の問題点を網羅的にまとめて示すか、一部に注目して示すかして、それに取り組むと表明している人が多い。がんばりますとかやらせてくださいだけを言っているように見える人が6人いる。問題点を挙げている大多数の人の主張は産業振興(観光対策、休耕地対策や就労機会・所得向上もこの一環と見る)である。教育・福祉の振興・向上(少子化対策や医療対策も含む、また関連補助金もこの一環と見る)が次に多い。その他財政健全化(医療費抑制や町の機構改革、職員人件費抑制もこの一環と見る)や環境保護(入島・入山税導入も含む)も何人かづついる。

私の見るところ、ほとんどが誰も文句を言わない内容である。具体的施策が出てきてそれが費用対効果でやって価値があるかどうかが問題で、今の時点ではそういう課題を意識しているということが分かるだけである。また現実に私が知っている人は集落の出身議員あるいは集落近辺の人に限られている。町は端から端まで40〜50kmで幅は1〜2km位のところに順に集落があって実質生活帯は細長く分布しているから、遠いところは必然的に疎遠な感じになるから地縁血縁が大事になってくる と思われる。

そういう背景があるからか、選挙で主張を訴え有権者の判断を仰ぐというやり方をする人は少ない感じである。今回私が接した活動を挙げると、公示前に主張ビラがポストに入っていたのが2人(A、B、内移住者1人)、立候補予定者が訪ねて来て挨拶をするだけ の人が4人(B、C、D、E)、公示後選挙カーが家の辺りに来て名前を連呼していた人が7人(C、D、E、F、G、H、I)、選挙ハガキが来た人4人(C、D、E、I)である。選挙の何日か前に配られる広報以外で公示以後に立候補者が自分の主張を訴える姿や資料を見ることはなかった。

選挙結果を見ると、主張を細かく訴えるビラを配っていた人2人(A、B)は落選した。訪ねてきた内の3人(B、C、D)は落選した。ハガキが来た内の3人(C、D、I)は落選した。見聞きした全9人の内、残りの4人(E、F、G、H)が当選した。当選した人で挨拶し顔を見たことのある人は1人(E)、あとは選挙カーが名前を言って近くを通っていただけの人(F、G、H)である。

ということで当選した人たちは、多分問題意識はみな同じように思える人や、皆さんのためにがんばりますという人みたいである。町議会議員というのは町長と役場職員の施策や活動をチェックするのが主な役目とは言うが、誰も反対しないような主張を皆同じように掲げているということは多分町長の方針とも大きな差はないに違いないから、ほとんどは町長の言うことへのうなずき役というのが実態かもしれない。全国1821市町村倒産危険度ランキングで屋久町は悪い方から35位(上屋久町は345位)というのも、うなずいてばかりの議員が多かった結果ではないかという気がしないでもないのである。

しかし合併に関して屋久町の財政問題を理由にすんなり行かなかったところを見れば、上屋久町議員は活発に議論したり争ったりしそうである。合併後の議会ではうなずくだけではすまなくなると思われる。それにしては立候補者も町民もそのあたりの意識が薄いのか、発言力や行動力のある議員に誰がよいか見分けにくい選挙活動であり選挙だった気がする。

No.118 屋久島(68):町議選挙のこと(1) (H15.05.05)


 
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