4月27日屋久町町議会議員の選挙があった。役場の掲示板を見ると、立候補した人は本籍がほとんど屋久島、他に種子島、鹿児島のいわゆる地元の人が多い。他所から移住して来た人は二人くらいのようである。
移住者の候補は日頃町政の刷新を訴えて活動していたが、今回の選挙では、さらに実りある成果をあげるには議員にならねばと決意して立候補したと思われる。私は移住して来た人の訴えがどれだけ選挙に影響があるかと、注目していたが、結果は芳しくなかった。
その結果を見て、よそものの痛烈な批判はそれが正しくとも、生活を得ることが優先する。彼らの言っていることが正しいことは知っているが、非難抗議されるようなことに関係せざるを得ない。そういう複雑な思いの人たちを捉えられなかったのではという感想を私は持った。
食うに困らない他所から移住して来た人たちの支持はある程度得られても、当選票数を確保するのはなかなか難しい。地縁、血縁は生活の保障と強く結びついている。話をすれば正しいことだから、正しいことだとして聞いてくれる。だから準定期発行のビラや機関紙の購読者数は当選ラインを優に超えていると思われる。しかし正しさだけでは地元票を切り崩すことはできない。
移住者は大体が経済的な心配が無い、食うにあくせくしないで暮らせる、だから言いたいことが言える、結構社会的には強い、そう思われている。その正義の味方が言っていることが正しいとは知りつつも、経済力などに不安を抱え、正義の味方が非難抗議をすることに関係を持つものの気持ちは複雑である。正義の味方が弱いものの味方というよりは、正しさをのみ押し通す強いものでしかないのではという不安がある。それが正しいことが地元民の票に結びつかない、地縁血縁有利の一つの理由かもしれない。
選挙結果は、
有権者数 5,552、投票数 5,139、棄権 413, 投票率 92.56%。
定員16人に25人立候補して、
最高得票数は、265票、当選最下位得票数は 199票、
次点は196票、最下位得票数は 111票。
私の注目していた候補は最下位から2番目3番目で、それぞれ138票、120票であった。前回の選挙では移住者候補1名だったが180票くらい取って次点の次くらいの位置にいた記憶がある。今回は2名の得票約250票だから70票くらい上乗せは有ったが、二人で票を分け合ってしまったかもしれない。一人なら議会に移住者が活動の場を得る可能性はあったかもしれない。
補足: 開票不正疑惑のこと (H15.05.24)
選挙後の県発表の投票数5,139に対しNHKの出している各候補者の得票数の合計は5,085だった。私は差の54票は無効票かと気にとめていなかった。
だが今日聞いたはなしでは、票のすり替えあるいは抜き取りの疑惑があって調べているらしい。ある候補者が投票してくれたという人の数に比べ格段に低い得票だったのでクレームをつけているようである。
自分の筆跡の投票用紙があるか見てやろうという支援者もいるらしいが、あんたも見てくれなどといわれれば、投票の秘密は守られないから困る。私のように頼まれればうんうんと入れる気のない人にも当たり障りなくすましている人はいるはずである。
私の場合、情報源としてビラ類を購読したりしているが、購読が投票とイコールの支持というわけではない。新しい流れは望んでいる、ビラ類も評価している。しかし、父の葬儀に何の礼をするでもない我が家を二日間世話してくれた恩義は忘れるわけにはいかない。そういう人もいるのである。
No.243 屋久島(134):町議選挙のこと(2)
(H19.05.07)