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  日誌編: No.294  
  2015.07.20  CDの劣化_移住前のコレクション  
 
 
今年になって引越でもしようかという気になって中途で断念したのだが、そのころ持ち物の整理をして場所を食うCDプレーヤとアンプとスピーカーはラック付きで譲ってしまった。それまでは音楽を聴くのに聴くぞという態勢でセットのある部屋に居なければならず億劫な感じになっていて、これは聴きたいという何らかの切っ掛けが出来たCDだけ取り出しては聴いていた。私がコレクションのCDをすべて流して聴いてみたのは7年位前でそれ以降はそんな状況だった。

CDの中央穴周辺でサンドウィッチされたアルミニウム層が欠損しているみたい
(中央部にアルミニウム層がなく透明になっているCDはこの対策か)

再生セットを譲ってしまってCDを聴けなくなってしばらくしたら、物足りなくなってまた音楽CDが聴きたくなった。そこでラジカセくらいの大きさの一体型CD再生セットを購入してしまった。棚にラジオを置く感じで場所はほとんど取らないから居間の片隅に置いた。BGM代わりに気軽にテレビを見たり本を読んだりパソコンを使ったりしているときにCDを流し聞きしている。そしてコレクションのCDをまた端から聴き始めたのだが、旧いCDをケースから出したらカビみたいなものが付いていたりするのでメガネ拭き不織布で拭いている。そういうCDの中にアルミニウム層が欠けているみたいなものが見つかった。

移住を考える前に購入したものだから20年以上は経っている。私はCDが出現したころ、これは半永久的つまり私が生きている間は劣化しないというような宣伝文句に釣られ、それまでのLPレコードからCDに切り替えることにしたのだが、その期待に反してこれはCDの劣化だと思われる。そこでネットでCDの劣化についての記事を探してみた。

音楽CDはおよそ20年は持つがそれ以降はどのくらいもつか分からないらしい。保存場所や環境次第のようである。わが家は保存場所や仕舞い方に問題があったということかも知れない。音楽CDは基板であるポリカーボネートに直接凹凸を付け、その上にレーザー光線を反射するアルミニウムが貼られておりそのアルミニウム層の上に樹脂が薄く塗布されラベル面となっている。この樹脂層の塗り方が適切でないとそこから空気が侵入してアルミニウム層が酸化・腐食してしまうそうである。レーザー光線の当たる側は傷がついてもかなり深くないと音飛びの原因にはならないがラベル側表面の傷は簡単にアルミニウム層まで届くのでちょっと表面を傷めただけでもアルミニウム層が傷つきCDが読みとれなくなってしまうということである。保存にはラベル面の出来具合や汚損が効いてくるらしい。私の旧いCDは多分ラベル面の技術が不十分な時代の代物かも知れない。

また、私がまだ気付けないだけかも知れないのだが、CDでも音質は劣化するということである。私は光学的な信号が劣化することはないのではと思っていたのだが、ラベルの印刷塗料に含まれる鉄分やアルミニウム層が駆動モーターの磁束により帯磁し信号の読み取り精度に悪影響を与えてしまうのが原因ということである。読み取り部は光学機器でもその後は電気信号に変換されるのだから磁気の影響は不可避なのかも知れない。またアルミニュウムも完全な非磁性体ではないようである。そしてCDを消磁すると音質劣化は解消されるということで消磁装置もあるようである。

補足: 中心穴エッジまでアルミニウム層があるCD
手持ちのCDをサンプリングでちょっと見したところでは、中心穴エッジまでアルミニウム層があるのは西独製とフランス製のフィリップスと西独製のグラモフォンのCDである。日本製のフィリップスその他のCDはアルミニウム層がドーナツ状になっていて中心穴付近は透明である。ある時代のある国製造のものだけ全面アルミニウム層にしていたため、プレスで抜いた中心穴のエッジでアルミニウム層が露出していた、あるいはケースに仕舞うとき擦れてエッジの樹脂が損傷しアルミニウム層が露出して腐食したのかも知れない。当時CDの先導役の一つであったフィリップスの未確立なCD製造仕様がヨーロッパで採用されていたのかも知れない。
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