My logbook : 屋久島方丈記 
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  日誌編: No.284  
  2015.05.25  時計の修理_シチズン・クロノマスター  
 
 
1970年かそのあたりのこと、会社に休日出勤中に何かの拍子でしている腕時計が動かなくなってしまった。その当時の仕事では時計がないと何かと不便になる。すぐ妻に電話して時計を買っておいてくれるよう頼んだ。夜、家に帰ったら買ってあったのがシチズン・クロノマスターだった。妻のしている時計もシチズンだったが、一番手は好きでないから二番手メーカーのシチズンにしているということで私の時計もシチズンを選んだそうである。結構な高級品のようだったが、妻が張りこんでくれたようである。

写真・左: 私の修理済み時計、文字盤面表示(中央上; CITIZEN/Chrono Master、中央下; CRONOMETER/AUTO DATE/鷲マーク/33JEWELS)、裏蓋面(中央; 鷲マークのメダリオン、周囲の刻印; S.S. PARAWATER CHRONOMASTER 4・540247 Y GN・I・U 90500316)、1969年5月製造のクロノメーター認定品か
写真・右: 中はこうなっているよう(時計紹介サイトの説明写真から)

この時計を使うようになって何年かして竜頭が取れてしまった。街の時計屋に修理に出したのだが急がせたせいか有り合わせの竜頭を付けてくれた。10年位の間に他のメンテナンスをしたかどうかは記憶にないがベルトは2回くらい交換した憶えがある。現場作業のときも外さずにいたから狂うようになって来たときにはガラスと側が擦り傷だらけになっていた。そこで修理に出さず新しくクオーツの時計を買ってその時計は仕舞いこんだ。

屋久島に移住して来てからはその新しくした時計を使っていたが5年くらいしてまったくの毎日が日曜日の境遇になってからはその時計も必要なくなってしまいこんだ。今年まで両方の時計を放置してあった。2月にたまたま不要品を収納してある箱の中の他の物を探していたとき、シチズン・クロノマスターのカビだらけのケースを見つけたのだが、中の時計はしまったときと見かけは変化ない。振ると動いても時計としては当然のこと使えない。

私はその時計を見ていて、妻が結構な高級品をどうして選んでくれたのかと考えていた。当時私と同じ職場のひとが婚約して相手からこんな時計を贈られたと見せびらかしていたのだが、私がしていた壊れた時計がそれに比べれば格段に見劣りするものだった。それを知っていた妻は私にも高級時計をさせてやろうと思ってシチズン・クロノマスターを買ってくれたと思われる。当時うっすらとそういう妻の気持ちに気づいていたのだが、私はその時計を大事に扱って来なかった。傷だらけにし汚くして長い間しまい込んでいたその時計を見て妻に対しを申し訳ないという気持ちになった。そしてこれから修理してその時計をして過ごしたくなった。

シチズンに修理の問い合わせをしたら部品のストックは切れてしまって対応不可ということである。そして修理専門の会社を紹介された。そこに問い合わせたら修理対応可能ということで、側は研磨して綺麗にしガラスや竜頭その他の部品交換をオーバーホールと合わせやってもらった。修理に3ヶ月くらいかかって戻ってきた時計に新しいイタリア製というバンドを付けて、いまは思い出を温めつつ時計をして眺めたりする日々を過ごしているわけである。


(参考): シチズン・クロノマスターとは_ネットのアンティーク時計紹介記事から
シチズン・クロノマスター ・デイト。1967年(昭和42年)に製造開始されたクロノマスターのデイトが付加された自動巻きモデル。シチズンではクロノメーター優秀級検定基準同等の社内水準で機械をつくっていたが、当時スイスとの関係でクロノメーター表示が使用出来なくなったため名称をクロノマスターとしたよう。文字盤・裏蓋のメダリオンには鷲のマークがあり他の製品との差別化が図られている。滑らかなシルバーの文字盤はセンターにブラックのラインの配されたアップライトのバーインデックス、ペンシルハンド、アップライトのCITIZENと鷲のマーク、3時位置のカレンダーと実用性もありながらスッキリとしたデザイン。秒針停止、デイトのクイックチェンジ可能と実用的なので日常使用にもお薦め。SEIKOでいうとキングセイコーにあたるシチズンの高級ライン。グランドセイコーやキングセイコーよりも生産数が少なく流通量が少ない。アンティークの味わい深い逸品。

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