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  たわごと編: No.198  
  2013.12.09 特定秘密保護法・これからの周辺固めが大事  
 
  特定秘密保護法は、外交・安全保障など限られた分野だけを対象としていて、一般市民の生活には直接関係しないと政府は説明しているが、国民あるいは有識者などの中には法案が成立してしまえば解釈で秘密の範囲が拡大し、知る権利が侵害されるのではないかと危惧していて、反対活動も行われている。

特定秘密とは、安全保障に関する情報のうち秘匿すべきもの、すなわち軍事・外交機密が対象ということだが、普通の人がそういう機密に接する機会はほとんどないと思われる。しかし今まで機密漏洩の罰則は国家公務員法と自衛隊法にしかなかったが、特定秘密保護法で公務員の家族や友人あるいは出入り業者などの民間人にも広がることになる。それを嫌う向きもあるが、国家機密の漏洩が国家公務員には禁じられ民間人には許されるということではおかしいから広がるのは当然のことと思われる。

ところで秘密というものは誰にでもどこにでもあり得ることである。わが家でもひとに知られず秘密にして置きたいことはある。多分それぞれの個人や組織・団体でも同じである。例えば会社ではそれを外部に知られて損害を被らないようにしたりするためにでもいろいろな情報を秘密にしていることは働いた経験があれば知っていることである。その他いろいろなひとや組織・団体でも秘密にしていることはあるはずである。情報公開を声高に叫ぶ組織・団体や活動家あるいは政党・政治家でも政権側か否かに関係なく例外ではない。公共の安全・福祉などを脅かさない限りにおいて秘密を持つことは問題にならない。そして多分そういう個々の事情による秘密でもそれを漏らせば個人間では何らかの反応があるだろうし、組織・団体でもそれぞれどんな処分をするかということが決まっていると思われる。

秘密というものは誰にでもどこにでもあり得ることである。そして国家も秘密を持ってはいけないということはないわけである。国家でも特に外交・安全保障関係では秘密にしなければならないことがあるのは当たり前である。それにもかかわらず、法案の名を聞いて初めから反対だと言ったり、あるいは知る権利が侵害されるからなどという議論が出るのがいまの状況である。本来、日本の外交・安全保障に関わる機密を保護する必要についてはみんな異存はないという前提を共有して、ずっと以前からどういうやり方であればよいのかいろいろな意見を表明し議論しあるべき姿をまとめて来るべきだったのである。多分議論すべき者がそれぞれ自分の都合ばかりを考えみんなでそうして来なかったから、ここに至って土壇場に追い込まれつつある対外情勢があって政府は強引にでも問題をはらみながらもなにしろ突破口を開いておこうと法案成立を急ぐことになってしまったのではないかと思っている。

私の見たネット記事などでは、現段階のこの法案に特定秘密の基準が曖昧で民間人が巻き込まれることはあるとか、そして秘密指定や取扱者の基準の明確化は必要だし第三者機関を設置し審査すべきだとか、また外国との情報共有で惑わされないようにするために日本独自の情報収集活動あるいはそれを行う組織も必要だとか、さらに獲得した情報を最初に取り扱う官僚とその組織から国民の代表である首相・閣僚や国会議員に漏れなく正しく情報が伝わる仕組みが必要だとかいう意見が目立っていた。私もそういう意見には異論はない。法案は国会通過してしまったがそれを非難したりせず、国会で提示された政府の実施方策案や以上のあるいはその他の具体的意見をもっと戦わせよい法案にして行くあるいはその周辺固めをするというような取り組みをしっかりやってほしいと思っている。
 
 
 
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