My logbook : 屋久島方丈記 
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  日誌編  ・ 偏見ご免のたわごと編  
  たわごと編: No.170  
  2013.06.03 面倒見の良い大工さん  
 
  5月のある日まだ就寝中だったが、家の前を車が通って行ったのでまだ早いのに何の用事でだろうと思っていた。そうしたらその後すぐ近所に救急車が来た。その家のひとは一人暮らしだが明け方体調が悪くなってしばらく我慢していたが我慢しきれず救急車を呼んだようである。その前に行ったのはその家を建てた大工さんの車だった。その家のひとの父親は100歳くらいで亡くなっているが、移住以来家や外回りのメンテナンスをその大工さんに依頼していて自分の亡くなった後も残されたひとを頼むと言っていたようである。

その家のひとは車の運転はしないので、一人暮らしになってからは特に用足しや通院買い物などいろいろなことで大工さん夫婦の世話になっていたようである。その家のひとと大工さん夫婦の信頼関係は強く、そのひとが救急車を呼んだその後すぐ大工さんに連絡した。それで救急車より先に大工さんが駆けつけたわけである。父親が亡くなったあとも家や外回りのメンテナンスを引き続きその大工さんに依頼していたから関係が薄くならなかったかもしれないが、自分が建てた家の一人暮らしのひとを支援し続ける大工さん夫婦はなかなかいないのではないかと思われる。

私の知っている大工さんに面倒見がよいと思われるひとがもう一人いる。近所の別荘を建てた大工さんだが、家主不在のときにもときどき見回りに来て草が茂ったりしてくると除草をしているようだった。家主がやって来る前にも除草していた。頼まれてやっているのか聞いてみたことがあるが、自分の建てた家が気になって定住していないので荒れないようにやっているということだったから無償でやっているようである。自分の建てた家が近所の迷惑にならないように道にはみ出した枝や道の反対側の枝なども整理したりしてわれわれ住人以上に気配りが感じられた。

わが家は移住して来た翌年、大きな台風で勝手口のひさしが上に反って付け根付近の外壁もひび割れた。建てた大工さんにその旨連絡したが、自分でコーキングでもすればという対応だった。そこで私はひさしの反り返り防止に支持ワイヤーを張り外壁はコーキングしたが、大工さんへは不信感が芽生えてしまった。無償修理は嫌だあるいは大した金にならないことは面倒くさい。そんな感じの対応だという印象を持ったのである。私としてはまずは見てこうするがいくらかかるとか自分でこうすれば済むとか大工としての見解を言って欲しかったわけである。

そんな体験もあるから、田舎でそれも年取って家を建てるときは、生活に立ち入らない範囲である程度面倒見の良い大工さんを選ぶことも大切かなと思うようになった。何かあって頼みづらい大工さんは嫌である。頼まれて受ける受けないは別である。けんもほろろでは信頼感は持てない。素人が分からないことを自分で判断して言って来いというに等しい対応をするような大工さんでは付き合いにくい。狭い田舎で嫌な思いを持ちながらも顔を合わせないわけにはいかないのだから、大工さん選びも快適な田舎暮らしには大切な気がしている。
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