My logbook : 屋久島方丈記 
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  日誌編 (with photo) ・ 偏見ご免のたわごと編  
  たわごと編: No.45  
  2011.04.18 なんの得あって屋久島で低炭素  
 
  「屋久島低炭素社会地域づくり構想」という表題のビラが町広報誌と共に配布された。発行元は屋久島低炭素社会地域づくり協議会とある。前書きのようなところに屋久島では電力のほとんどを水力発電に頼っているので一人当たりCO2排出量は全国平均の4割だが、さらに今まで化石燃料に頼っていた部分を住民、事業者、行政が連携して自然エネルギーに転換しCO2フリーの地域づくりを目指し、その取組を通じ地域経済活動を活性化するために本構想を策定したとある。

内容としては、産業、民生家庭、民生業務、運輸分野ごとに現状のCO2排出量(平成18年度CO2排出量)からの削減目標を定めたということのようである。その方策としては削減のための取り組み項目が掲げられている。家庭分野では暮らし方や運転の仕方などで努力せよというような内容である。時間や金のかかるがそれはそれとしてという感じで家や車の省エネ仕様化も挙げられている。

事業分野では従業員教育、エコ資材の利用、交通機関の有効利用、森林整備にすぐ取り組むとある。時間や金のかかるものとしては管理システムや自然エネルギー利用設備の導入、エコカーへの転換、カーボンオフセットの実施が挙げられている。行政分野では啓蒙活動をしつつ、時間や金はかかるが指導者の育成、エコカーへの転換その他の温暖化防止活動の取り組み支援をするという内容である。

これを読んでの私の感想である。努力目標を掲げているだけだから結局は成り行きでなるようにしかならない。こういう構想づくりやその展開に町の人員や金を使うことは無駄ではないかというものである。すべての分野で成り行きに任せればよい。具体的政策実現計画はないし人の意識次第の成り行きまかせにしかならないものを無理して協議するからこういうことになる。行政のアリバイ作りに構想づくりをしたようなものである。ただでさえ不便で経済規模が小さいところで本土あるいは都会での削減不足をアシストするお題目に踊らされて我慢をしたり金や人を使って効果も定かでない構想を推進しても経済活動が活発化するとは思えない。

前書きにあるように屋久島は全国平均の4割が現状なら、これから全国で実施効果の出たもののなかから屋久島に合うようなものを選別して採用していく自然の流れだけで十分全国平均以下あるいは4割をキープ出来ると考えられる。家庭だって事業分野だって全国的な流れに追随していくから成り行きで削減されていく。これまでだってそうした成り行きで4割なのである。行政は分不相応なパフォーマンスに注力せず住民生活の質向上と屋久島らしい産業のあり方に重点志向で取り組んで欲しいものである。世界自然遺産の屋久島だからなにかぶちあげなければとか、それで名を売ろうとする人間とかあるいは屋久島という名を利用しようとする企業などのプログラムに踊らされず、地元のためになることを地元発の地元志向で地道にやって行くのがよいと思われる。

 
 
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