屋久島生活の断片・日誌編
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No.290  浸水腐食のこと  [H22(2010).03.29]

散歩している途中の歩道の一方側が車道で一方側が川になっているところがある。車道側にはガードレールはないが川側にはパイプ状の柵がある。人が川に転落しないように設けられていると思われる。その柵の支柱のことである。一番下の横パイプ差込結合部からよく水が滲み出ており周辺支柱が腐食しているのが気になっていた。気がついた当初のころは犬でも小便をかけたから濡れているのかと思って見ていたのだが、どうもそうではない。

 腐食している支柱・代表例
  川の上に張り出している歩道の
   始まり側(雨の翌日)

柵は比較的太いパイプの支柱とそれに差し込まれている比較的細い横パイプからなっている。支柱のてっぺんには蓋がはめ込まれている。結合部分は全て嵌め込み方式である。支柱は歩道のコンクリ縁にコンクリで埋め込まれている。腐食は鉄製であれば完全に避けられるというものではないと思うが、このように腐食が促進されるのは、設計あるいは施工がおかしかったからではないかという気がしてきた。なぜこんなに腐食するかといえば、支柱の下端が詰まっているからである。

柵は嵌め込み方式で組まれているから雨が降れば隙間から水が浸入し支柱内の下部に溜まってしまう。その繰り返しで支柱内部の水位が上昇すると一番下の横パイプの隙間から水が漏れ出てくる。隙間から出る水より 浸入した水量が多いと水位はもっと高くなっていつも濡れているように見えるくらいに時間をかけて水が漏れ出てくる。水の漏れ加減の変化の繰り返しで腐食が進んだのだと思われる。

今回見た支柱パイプの下端が開口しているかどうかはコンクリに埋まっているので分らないが、支柱パイプ下端を開口にしてパイプ下端部分から水が抜けるようにコンクリに埋め込んでおけばこんなことにはならないはずである。今回見た歩道は川の上に張り出しているので支柱が埋まっているコンクリ縁の下側を触って見たが排水口は開いていなかった。だから設計(施工指示を含む)あるいは施工(設置作業)で注意が 足りなかったのではないかという気がしたのである。

多分柵は人の落下防止だけが目的で防錆はありきたりなのだと思われる。あらかじめ想定していたのは落下防止性能だけでメンテナンス性や美観維持は想定外のような気がする。しかし、もしかしたら実際は全て想定内で腐食が機能に影響しない耐用年数を設定してあってあとは交換ということになっているのかもしれない。


 
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