屋久島生活の断片・日誌編
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No.287  ある風景のこと  [H22(2010).02.15]

多分2年前の2月のある日の午後のことである。思い立って遠出の犬の散歩に出かけた。栗生方面である。海水浴場の浜の駐車場に車を停めてそこから海岸沿いに港まで行き栗生川沿いに県道まで行って県道を駐車場まで戻るコースである。

先ずは砂浜で犬を遊ばせる。犬ははしゃいではいるが人から離れて遠くには行かない。ただ砂を掘ったり落ちている木片をくわえてあちこちと走り回るだけである。飽きてきて寄って来たら港の方へ護岸壁の上を歩いて行く。

港は静かなものである。漁船が係留されているが人影はほとんどない。そしてその係留されている船の風景がなんとなく落ち着いて見える。散歩をしていてもほとんど人と出会わないから人の活動と関係ないような風景のように見えてしまうのである。活気がないあるいは寂れているという感覚とは違ってそんな静かな風景がただもともとのものみたいな感じ、例えば自然の林のそばにいるに近い感じである。

右:昨年見たどこかのTV・CM(鹿児島版か)で似たような景色が流れていた

その先の集落の縁の栗生川護岸壁の川べりの道もまた静かである。集落から隔絶された雰囲気の中を川の景色を楽しみながら歩けてなかなかよい散歩道である。ところどころに防水板が外された護岸壁の切れ目があって集落の通路につながっている。集落の中に入ってみると昔懐かしい風景が見られたりする。ちょっとした小道の雰囲気とかつるべ井戸とかである。自分が疎開していた田舎よりもっと昔懐かしい感じがする風景である。

古い井戸らしい・コンクリ枠の側面に昭和5年改修とある

 
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