屋久島生活の断片・日誌編
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No.256  時計のこと  H20.12.08)

11月に訳あって7年ぶりに屋久島を出て上京した。そのとき飛行機の中で感じたことである。機内で「あと10分くらいで着陸に向けて高度を下げます」とか、「何とかのため何時何分ごろの到着となります」というような意味のアナウンスがある。しかし私が見られる範囲の機内を見渡してみても時計がないみたいなのである。表示が変化するものとしては液晶ディスプレイが前方にあるが時刻表示はしていない。時間に関係することを言われてその都度人に時間を聞くのも憚られるから、時計を持っていない私は時計あるいは時刻表示がないことが気になってしまった。

ナース時計・購入品と腕時計流用品 流用品装着状況

私が腕時計をしなくなったのは仕事を辞めたあとである。もう10年くらいになる。するのは釣りに行くときくらいだった。しかし携帯電話が普及してきて使用するようになってからは、それを時計代わりにしてきている。私は時刻がわかればそれでよいのでファッションとかステータスのために時計をする気はない。そして常用している時刻表示をする携帯電話の電源を飛行機の中では切らなければいけない。だから私は機内では時計を持っていないことになるのである。

こういう状態で時刻に関係することを言われ落ち着かない気分になって、時計を持った方がよいかなという気になってしまった。そして時計をファッションとかステータスのためにすることに意味を感じない私はスーパーみたいなところで売っていた1,500円の時計を衝動的に買ってしまった。バンドが合成ゴムのようなやつで横から見ると本体にハの字に固定されて突っ張っている。腕から外して置いておくにも文字盤を上にして置けない。腕にはめるときはバンドが突っ張ってなかなかはめられないからいらいらする。

そこでこんなものは使えないと、家に帰ってからわずらわしくない時計はと考えて懐中時計みたいなものならよかろうという気になった。しかし三つ揃いのチョッキのポケットから出して見るではなし、ズボンのポケットから出して見るには鎖のつく竜頭側が6時でないと見にくい。ということで面白半分に安価なナース時計を探して注文した。

前に買った1,500円の腕時計は家に帰ってきてから雑品籠に放り込んでいたのだが、ナース時計を注文したあと、これをナース時計みたいにしたらとふと思いついて、合成ゴムのバンドをカッターで切り落としバンド取り付けピンのところに携帯電話のストラップを取り付けてみた。ズボンのバンドにストラップを絡ませてポケットに時計を入れておくとなかなか使い心地がよい。それを使い慣れたころナース時計が届いたが、思いついてすぐ飛びついたナース時計よりよいので、早まったという感じである。

今度の7年ぶりの上京では、もう一つ気になることがあった。靴のことである。7年前の上京時、移住前から持っていた靴の底がぼろぼろになっていた。ウレタンの底が劣化したためである。そのときは上京時、専門店で靴を新調した。ウレタン底だが結構高い靴だった。それから7年、その間その靴を一度もはいたことがなかった。それが今度の上京時、外観新品の靴がまた底がぼろぼろになってしまった。そこで今回は一回限りでよいように3,000円くらいの靴を買った。多分次回上京の機会が来たらまた底がぼろぼろになっているのではないかと思われる。新品の靴は使わなくても何年で風化してしまうのか気になる。

思い起こせば、私が履いた一番上等な靴は高校生時代アルバイトをした金で買った革靴である。当時はみなそうだったのではないかと思われるが、底も踵もすべて革である。減ってきたら張り替えて長い間使用したものである。そのあと多分合成ゴムの黒く硬い靴底が出てきた。これも踵が減ったら張り替えて使えた。それがその後出現したクッション性を謳われる底の靴では、底が減ったら捨てるほかないようである。また使わないでいても風化してしまうようなのだが、売り物に製造年月日と耐用期限の注意書きも付いていない。


 
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