屋久島生活の断片・日誌編
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No.239  ジュースをつくること  H20.04.07)

我が家では毎年タンカンの季節になるといつもの農家の方から100kgくらい購入し自分たちで箱詰めして知り合いなどに送る。今年は例年のように箱詰めをすましたら結構な料が残った。去年注文した量で少々不足気味で自分たちの食べる分がなかったので多めに頼んだからである。ある年にうまくいくと翌年もその通りに注文するのだが、もう少しあったらと思った翌年には多めに注文する。多めだったと思ったら翌年は減らす。そして今年は多く残った二回目の年である。

 タンカンを搾ってジュースを作る
 

前回残ったときは、果物入れの木皿に食べる分を取ってあとはジュースにした。500ccくらいずつジッパーの付いた袋に入れて冷凍しておいて夏に取り出して飲んだ。前回の搾り器はプラスチック製でハンディータイプである。下の柄にジュースが溜まる容器が付いていてそこに穴の開いた入れ子が入る。上の柄に押し子が付いていて入れ子に半切りにしたタンカンを入れハサミみたいに上下の柄をしめていくと容器にジュースが溜まる。それを他の容器に移しながら順次搾る。搾るのに力がいるので手が痛くなるほどだが、その割に作りが華奢で壊れないかと気になるものだった。

そこでその後金属製のジュース搾り器を購入した。今度のものは搾る動作が直線的に上から下に押す方式である。しかし二回目のジュース搾りの機会が今年までなかった。今年はタンカンの残りが結構あったので、前回同様果物入れの木皿に食べる分を取ってあとはジュースにすることにした。それで新しいジュース搾り器の出番が回ってきたというわけである。搾ったジュースの大半はやはり夏にでも取り出して飲もうと500ccくらいずつジッパーの付いた袋に入れて冷凍した。

冷凍せずに飲んでみようと500ccの耐熱容器に入れたものは、電子レンジで60度に加熱してからさまし冷蔵庫で冷やしておいた。翌日朝食時によどんでいたものをかき回しコップについで飲んだのだが、たいそう甘くおいしかった。今年のタンカンは昨年夏の暑い気候のせいか、あるいは3月になって収穫したものだからか甘みが強い気がする。送った先からの反響も甘くてうまいということだった。

ジュースについては、むかし東京の超有名ホテルに勤めた友人から聞いたはなしが思い出される。昭和40年前後に聞いたオレンジのフレッシュジュースのはなしである。注文があったらオレンジを搾る。多分一個使うだけと言っていたような記憶がある。そのジュースの量が小さなウィスキーグラス一杯くらい。それで800円だと聞いて高いがさぞかしうまいのだろうと思ったことがある。

今年我が家で搾ったタンカンジュースのうまさにそのジュースのはなしを思い出し、そのジュースを私は飲んだことはないのだが、それに勝るとも劣らないうまさを味わっているのではないかという気になってしまった。


 
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