2月中旬ころのある新聞の記事よれば、兵庫県でサルによる農作物の被害を食い止めようと、飼い犬を訓練してサルを山に追い返す「サル追い払い犬」の育成に取り組むことを決めたそうである。サルの被害が深刻な県央山間部の神河町をモデル地区として飼い犬10頭を募集、警察犬訓練所に預け約4か月訓練する。その後サルが出没したらその付近の飼い主に連絡し「サル追い払い犬」を出動させサルを追い払う効果を試すようである。
屋久島もサルの被害は結構あるようである。私が移住して来た十数年前ころはどういう対策がよいか模索中だったようで、ただの金網とか爆音とかの効果を研究している様子をTVで見かけたことがある。結局は電気柵が一番ということになったようである。犬はそういう対策を研究する以前からずっとミカン畑の番犬として使われており、今も電気柵があるところでも併用されているようである。
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ミカン類の実は見えないから、 多分犬はミカン類の摘み取りが終わって 集められていると思われる。 金網は上部に電線が張ってあるのが見える から、サル対策の電気柵と思われる。 |
屋久島ではミカン畑の番犬やシカ駆除時にシカを追い詰める猟犬などは労働犬と呼んでそれなりに認知されているようで、移住したてのころ登録や注射などの費用は普通の飼い犬の半額だとか聞いた記憶がある。ミカン畑の番犬について言えば、ミカン畑に犬小屋を置いてそこにある程度の長さの綱でつないでおくのと、放してあるのと二つの使い方があるようである。
移住したてで電気柵も普及していなかったころミカン畑の縁の当たりを散歩しての経験では、つないである方は人が近づくとうるさく吠える、放してある方も近づくとうるさく吠えるが吠えるだけでなく追って来る。だがミカン畑からある程度距離をとると追わず吠えもしなくなる。訓練しているということは聞いていなかったので警戒範囲をよく分かっているものだと思ったことがある。
ミカンを作っているある家の人のはなしだと今年サルの被害が結構でているということである。電気柵をしてあってもミカンの実がほとんど無くなるような木もあるらしい。実が食べられそうに色づいてから曇りや雨の天気が多いので電気柵が効かないと言うから、多分人家を離れた畑で電源を小さなソーラーパネルでまかなっているため
電力不足になるのだと思われる。やはりそうなると犬もまだ必要ということになる。
また犬の必要性はもうひとつある。何年か前の夜中に実ったタンカンが畑中全部盗まれるという事件があったが、そういう場合電気柵は役に立たない。犬のほうが盗難防止には効果があると思われる。