屋久島生活の断片・日誌編
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No.197  崖崩れのこと H18.07.31)

7月後半、各地で大雨により崖崩れや土石流が発生しその被害が報道された。人家のあるところだとニュースになるのだが、人家の被害のない崖崩れなどは報道されない。今年4月の大雨で我が家から見える山の斜面が崩れたのだが、報道はなかった。場所は小島の裏手の山の斜面である。未完成の南部林道の起点から山を登って道が水平状態になってしばらくのところである。

 電柱後ろに林道の谷側の壁が一部見える。
 その付近の林道はその高度にほぼ水平に
 造られている。崩れている部分は林道の
 谷側の壁も崩れていると思われる。

大分前にも、今回崩れた地点より手前で2ヶ所くらい崩れたことがある。その翌年か翌々年に復旧工事がされてしばし林道延長工事が中断されていたが、一昨年あたりからまた工事が細々と始まっていた。今度の崖崩れ地点も以前の工事区間の範囲内である。

前回同様、急傾斜の沢状の地形のところが崩れた。林道工事で地層が水平に遮断され縦方向の抵抗力が減少していたためと思われる。私の見るところ崩れたりするのは大体人が手を入れたところのようである。屋久島は雨が多いので有名なところである。何千年あるいはそれ以上前から雨で浸食されほとんど安定して崩れない地形になっていたところを、人が不安定化させてしまったので崩れたと思われる。

崩れた地点を見てみると、屋久島は岩の島であることがよく分かる。岩の斜面の上に薄い土の層が乗っかっていてそこに草木が生えている。土の層が崩れたあとは岩で、周りの木が生えている部分と比較しても土の層はきわめて薄いことが分かる。初めに崩れてから何回かの大雨で崩れ範囲が拡大し露出した岩肌も今は土が洗われて白っぽくなっているのでよく分かる。

今回人家の被害はなかったが、噂では下方の家の人は崩れたときゴォーという音が聞こえたということである。前回も被害はなかったが農道の下にある他の家では農道の上あたりまで土が流れてきて怖かったということである。前回の崖崩れを受けて、林道の高度を傾斜の比較的緩い部分に変更するという話になっているとか、観光林道としての眺めは悪くてもそうするのが安全と思われる。


 
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