例年飛んで来るには飛んで来るのだが、今年は見かける頻度が格段と大きい。昨年台風で近隣の林の下草がほとんどなぎ倒されて見通しがよくなったことがあるが、その影響でツマベニチョウ幼虫の食草の葉がよく茂ったりして、生育数が多くなったのかもしれないなどと憶測している。
ツマベニチョウはアジアの熱帯・亜熱帯に広く分布し、南九州はその分布の北限に当たるということである。ツマベニ(褄紅)の名前のように羽先の紅にたとえられるオレンジ色が鮮やかな蝶である。
飛び方はなかなか激しく、高く飛んでいたかと思うと急降下しハイビスカスの花から花へと飛んでは留まる。家にはピンクや黄色の花のハイビスカスもあるがなぜか赤い花によく留まるようである。人が近づいた気配であっという間に飛び去る。花に留まるのも瞬時で、カメラアングルになかなかとらえられず写真に撮りにくい。
今回は2匹着かず離れず舞っているのがガラス戸越しに見えたので、すぐカメラを取りに行き戸を開けたら屋根の上のほうに逃げてしまった。少し待っていたら今度はそばの道端の土手付近に下りてきて舞っているので、裸足でそのまま飛び降りファインダーに入ったらシャッターを押すことを繰り返したら、ピンぼけながら撮った半分くらいにその姿が写っていた。
その後、近隣にツマベニチョウの幼虫が食べるギョボク(魚木)が自生しているから我が家にツマベニチョウがよく来るのではないかと、犬の散歩がてら木を探してみるのだが見当たらない。昨年だかいつだったか黄色がかった緑に葉脈と茎が濃い紫の新芽の木を見かけたことがあるので道端でも見られるはずと思うのだが、場所を思い出せない。
見当たらないと気になる。写真を撮ってみるついでに、一本くらい家に植えてみようかと野草木を売っている店に行ったら扱っていないとのことである。麦生の旧生コン施設そばの県道沿いにギョボクを植えてあるということだった。そこでギョボクの写真を撮ってきた。ツマベニチョウといえばギョボクと対というイメージが刷り込まれているので、両方の写真を並べたかったのである。