屋久島生活の断片・日誌編
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No.168  木の花のこと H17.05.09)

4月から5月にかけて、散歩中の道からポンカン、タンカンそしてシャリンバイの花が咲いているのが見える。ポンカン、タンカンは今頃花をつけて12月頃あるいは2月3月に実の収穫時期になる。ついこの間まで実をつけていたかと思ったら、もう同じ木に花がついて、新しく小さな実が出来ている。

果樹園の花(ポンカン or タンカン) 家のそばのシャリンバイの花

シャリンバイは家の周りあるいは庭にも咲いている。風が吹くとサクラの花が散るように散ったりもする。花が梅の花の形に似ていて、葉が車輪のような形に出るからシャリンバイというとのことである。林の中に大きな木が見えるところもあるが、私が見かける大体は垣根、防風林である。当地に来たころ防風林にするのはハマヒサカキだとほとんどの人に言われ、周辺の開発地でも縁にヒサカキを植えていたので、我が家でもヒサカキを植えてもらった。

その後周辺の林を散歩していたら、比較的大きく厚みがあって光沢のある葉で垂直に数十cm伸びた実生の木があったので面白いと引き抜いてきて庭の縁に植えた。それが我が家のシャリンバイのはじめである。成長して花が咲き、実が落ちてかあるいは鳥に食べられた実が落ちてか付近にまた芽が出て本数が増えた。

シャリンバイは台風で強い風が吹いても、ヒサカキより折れにくいようである。ヒサカキは相当数枝が折れたことはあるが、シャリンバイは一回しか折れたことはない。地元の知り合った人から聞いたところでは、その人の集落では防風林はシャリンバイのほうがよいということになっているらしい。潮風にも強いということである。そういう話を聞いてから以降、我が家の周辺でも防風林にシャリンバイが目立つようになってきた。それで今頃はシャリンバイの花盛りである。

タンカンも家の庭に植わっている。オレンジ色の実がなれば庭の風情の足しになるかと引っ越してきた年に一本だけ植えたのだが、ちょっと伸びたら台風にやられることの繰り返しで丈が伸びない。ちょっと目を離しているとカミキリムシが枝の皮をかじってしまって枝がまだらになってしまう。昨年は一時毎朝点検してはカミキリムシを計数十匹捕まえてつぶした。実は台風で落ちてまだ熟したことはないが、今年もいま花が咲いていて、小さな実もいくつかついている。

タンカンはついこの間の3月が収穫時期、縁者に送ったと思ったら、もう4月には花が咲き実をつけ始める。私はそれを見て何もしないゆっくりした生活は実のない時間の短いことに似ている、なすべきことがある時間の記憶が人生ということかもしれないなどと思うのである。


 
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