私が四半世紀以上前のころ一緒に仕事をしたことのある人で今JAXAに行っている人がいて、その人の今年の年賀状にロケットの打ち上げを再開するという添え書きがあった。何年か前には種子島の隣の屋久島に住んでいるのならロケットの打ち上げが見えるかとの添え書きがあり、以後我が家ではロケットの打ち上げを見ることを意識するようになった。前回成功した時には見た旨知らせたが、それ以降失敗が続きなんだか安心してみられない気分になっていた。
今回も5時9分打ち上げかと打ち上げ方向がよく見えるところに行っていたら、時間になっても姿が現れない。TVなどのニュースを見ていなかったから時間延期になったのを知らず、しばらく待って延期になったかと家に帰った。家に帰ってTVで延期になったことを知ったが、またどうなるか分からない。もういいやと新聞を読んだりしていたら、妻の玄関の外で上がっているよ、きれいだよ、という声が聞こえてきた。その声につられて出て行くと、上がりつつあるところから、補助ロケットの切り離しをしてその後見えなくなるまで結構長い時間見ることができた。
そのあと成功したとニュースで見て、私は日本の技術の成果だ云々よりも、単純に成功してよかったと素直に思った。前回の失敗後メディアで組織体質云々の非難が多かったが、真摯に技術的懸念を解消していける体質になった。その成果が今回の成功だとしたら、今後の連続成功も夢ではないと喜びたい気分になったのである。
次回は種子島の見える安房あたりで見ようかと思う。ほとんど発射直後から見えるらしい。今回そこで見た人がいてとても感動的だったそうである。外から見れば結果が成功か失敗しかないからはらはらする。それで成功するから感動する。ロケットの打ち上げ見物はスポーツの試合を見るに似ている。多分これからいくら連続成功しても見るときは毎回そんな気分になると思われる。