屋久島生活の断片・日誌編
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No.160  雪のこと H17.01.10)

今年の元旦は我が家から見える山にも雪が積もった。暮れ近くなってから天候が悪い日が続き、この年末年始子供と孫の滞在期間中、来た日と帰る日を除き、わが家近辺ではほとんど雨模様、嵐のような日もあった。山岳部では雪になっていたようである。山への観光道路は積雪で通行止めになり、除雪がすんで通行止めが全て解除されたのは4日のことである。

我が家から見た積雪の山(平成17年元旦)

屋久島では大体海岸線にしか人は住まない、亜熱帯の北限に位置する島である、と言われているから雪が降るということは移住して来るまで私の意識になかった。ところが引っ越してきた直後に県道で「雪祭り」という幟が立っているのを見かけた。雪国でもなく、ほとんど雪も降らないのになんで雪祭りなのだと不思議に思ったことがある。

山は九州本土より高い山がいくつもある。植生の垂直分布は北海道から亜熱帯までをカバーしている洋上アルプスというのが屋久島の売りである。当然山の高いところでは雪は降る。しかし雪が人の生活とかかわって祭りをするほどの位置づけにあるとは思っても見なかったことである。

それで当時どこでやるのかと人に聞いたところでは、屋久杉ランド方面の雪のたまった道路でやるということだった。子供のリクリエーションの行事のように聞いた気がする。それなら納得である。雪祭りには私の知らないいわれがあるのかも知れないが、私としては南の島の雪で遊ぶ機会のない子供につかの間ながら雪遊びをさせてやろうという親心から出たものだろうと思って納得したのである。

ここ数年、暖冬で雪が降ってもすぐ消えてしまうからなのか「雪祭り」の幟が立つのを見ることがなくなった。その前には幟は立ったが、雪が消えてしまったので中止というアナウンスがあった年があった。その翌年から幟が立たなくなったような気がする。地球温暖化の影響か、雪の量が減る傾向にあるのかもしれない。そう思っていたら今回は除雪に何日も要するほど雪が降ったようである。もしかしたら今年は「雪祭り」の幟が立つかもしれない。


 
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