屋久島生活の断片・日誌編
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No.153  竜巻のこと H16.09.27)

8月と9月、台風の影響で曇りあるいは雨まじりの風の強い日、わが家の窓から見える海に竜巻が見られた。

8月17日の竜巻
 はじめは垂直に近かったが、
 時間とともに斜めになってきたところ
  (わが家の台所の窓から撮影)

台風がない時期でも、雲が低くて風の強い日に見られることがある。波間にしぶきが上がって渦を巻いているなと思っているうちにだんだん発達して色が濃くなり上空の雲までとどくようになる。海上で陸地に平行して移動しているときには、かなり長い間持続しているがそのうち細くなって次第に消滅する。

陸地すなわちわが家のある北へ向かって来るときはいやだなと思うのだが、比較的早く消滅しわが家の方までは来ない。陸に近くなると海水のエネルギーが小さくなるのか陸の影響か、台風に似て勢力が衰えるようである。

陸地での竜巻のようなものは、広い畑で見ることがある。これは竜巻ではなくつむじ風というものらしい。日が照っているときに見られる。渦を巻いて土煙が上がるのだが上の方には何もない。渦を巻いた土煙は大体畑を横切って防風林のあたりで勢いがそがれるようで消滅してしまう。小さな枯葉を巻きこんだ旋風はわが家の前の道路でも時々見られるが、道の端の土手とか草むらに当たるとすぐ消滅する。屋久島は草木が多いので道路とか畑とか熱せられて上昇気流が発生しても周辺の林などですぐ勢いをそがれて大きくなりようがなさそうである。

私が小学生のとき大きな竜巻のようなものを見たことがある。天候を思い出せないので竜巻なのかつむじ風なのかはっきりしないが、気づいたきっかけは急に暗くなったからだったような気がする。下校のときで私は渦巻きが土埃をあげて走って来るのを見つけ道端の桑畑の木に隠れて見ていたら、平坦な広い畑の中にある一軒屋の農家が巻き込まれ屋根のわらや戸、障子その他が天高く吹き飛ばされた。巻き込まれて吹き飛ばされたら大怪我をするか死ぬかと思ったが、渦は向こうへと移って行ったのでほっとしたことを今でも憶えている。

屋久島で竜巻の被害があったというはなしを今のところ聞いたことがないし、引っ越してきてからも海上で発生した竜巻が陸に上がって来たことはないので一応安心してはいるのだが、家が壊れるような竜巻のようなものを見たことがあるから大きなのが来たら怖いなという気持ちは残っている。


 
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