屋久島生活の断片・日誌編
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No.139  果樹園のこと H16.02.23)

タンカンの収穫時期もひと月かそこらに近づいてきた1月末近く、散歩していたら果樹園の入り口に鉄パイプで柵が設けられていた。柵の内側数メートルのところには番犬の小屋もあり、数十センチ高さで黒いケーブルが張ってある。そのケーブルにガイドされて犬はつながれたまま広い範囲を移動できる。

屋久島では猿対策で電気柵を設けたり番犬を置くのを、今までよく見聞きしていた。電気柵なら入り口も電気柵で締め切らなければ猿よけには役に立たない。電気柵のないその果樹園は工具で外さなければいけない鉄パイプの柵である。猿が自由に通れ、入り口付近にしかない柵だから、泥棒のトラック侵入防止のためと思われる。一般的には犬はほえて動き回り猿を脅すのがその目的だが、ここ場合はミカン園の防風林の外に配置してあるから泥棒の侵入防止警報機のような役回りのようである。

農道側から見た果樹園入り口

・入り口に鉄パイプの柵
・タンカンの木は防風林の
    向こうで見えない
・防風林手前の通路に
       番犬の小屋

昨年はタンカン収穫時期のころ、果樹園になっているものまるごと、あるいは収穫し集積してあったものごっそり、夜中のうちに盗まれるという事件が多かった印象がある。集落あるいは町から何回も不審者を見かけなかったかという放送があった。

盗んで自分たちで食うには量が多すぎる。同業者を含む農作業になれた泥棒集団が盗んで、その同業者が自分の生産品として売ったり送ったりすれば怪しまれない。そういう産直安売りの裏ルートがあるとTVで見たことがあるが、屋久島のタンカン盗難もそういうことだったのかもしれない。

また昨年はいろんな地方で、サクランボが盗まれたとか桃が盗まれたとかあるいはお米が盗まれたとか、農作物の盗難事件が多かった印象がある。畑から夜中のうちに盗むのだが摘み取り方や刈り取り方があざやかで農作業に習熟している者のやり方だし、畑ごとごっそりと盗るにはかなりの人数もいる。多分これも多分同業者を含む農作業になれた泥棒集団の仕業ではないかと言われているのを聞いたことがある。

今年はもうタンカンの摘み取り始まっている。毎年収穫時期が早くなっている感がある。気候のせいで成熟が早まったのかと思ったが、知り合いの農家のはなしではここのところ毎年世間の収穫時期が早まっているそうである。どこかで早く収穫すると遅れをとって損をしないようにと、やむなくそれに合わせざるを得ない気分になるらしい。市場の事情なのか町の行事のタンカン摘み取りのハサミ入れ式がそう言えば時期が早くなっている。そのせいか今年はまだ泥棒の話を聞かない。もしかしたら収穫時期を早めているのは泥棒集団の計画の裏をかく作戦かもしれない。
 

補足: タンカンの盗難発生のこと  [2011(H23).02.10]

昨夜と今朝集落放送でタンカン畑で盗難が発生しているので不審な動きがあったら通報してくれと言っていた。今年は不作の年らしいので品不足の誰かが泥棒しているのではないかと思われる。


 
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