屋久島生活の断片・日誌編
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No.93  海上浮遊物のこと H14.04.22)

4月16日昼過ぎ台所で洗い物をしていた妻が、海に何か流れていると言う。見ると500mくらいの沖かと思われるところに茶色いものがいくつか漂っている。双眼鏡で見てみると油らしきものに見える。毎月の町の広報と一緒に配られるビラに不審船やおかしなことに気づいたら警察などに連絡するようにと書いてある。早速13時ころ役場に電話した。

浮遊物拡大 沖に列になって見える浮遊物

役場の人に、居住地域と名を名乗って海になにか油らしきものが漂っていると伝える。海沿いの農道辺りを走れば見えるかと問われ高台から見なければ見えないかもと答える。漁協に連絡したほうが良いかなどと言われたので、それは私が判断することではない、私はおかしいことかと思うから連絡をしたのだと言うと、漁協に連絡してみようと言って話は終わった。その後16時過ぎまで海を観察していたのだが、浮遊物が複数の島のようになっていたのが集まって大きな島になったりまたいくつかに分かれたりしながら漂っている。

4〜5年前のことである。大時化の日の朝、家の窓から海を見ていると海岸線の林の向こうに汚く錆びた船が波に揺られて見え隠れしている。TVなどで見る密航船のように汚く錆びている。それが港でもない、入り江でもないところに碇を下ろして波にもまれている。てっきり不審船だと思って警察に連絡したことがある。すぐに駐在さんが来たからよく見える高台に案内した。駐在さんは署の人と連絡をとっていたが、時間をおかず私服の若いが偉そうな人が来たところをみると私の連絡で既にこちらに向かっていた途中だったようである。来て様子を見てすぐ戻って行った。

しばらくすると件の船に小船近づいて行くのが見えた。集落の漁師の釣り船を調達したようである。へさきに帽子をあご紐で固定した制服姿の人が波で上になり下になりながら件の船の人間に問いかけている。私が連絡してから1〜2時間くらいでのことである。対応が早いと感心したことがある。その後の結末は知らないが、その日のうちに船はいなくなった。

さて4月16日の浮遊物のことである。海上に何の動きも見られなかったが17時すぎころ1隻の船(キャビンつきの小型漁船の様)が浮遊物の東(左)から近づいてきて船の長さの何十倍かにのびている浮遊物に沿って走り西(右)に去って行った。それが唯一の動きだったがその船は偶然通ったものかもしれない。夕方には浮遊物は潮で西のほうに移動しつつあったが、翌朝には我が家から見えなくなっていた。

4月16日私が連絡する前、どのくらい前かはよく憶えていないのだが、ヘリコプターが海の上を西から東に飛んで行ったのを見かけている。だれかが浮遊物を見つけたりして通報が行って、偵察しての帰りだったのかもしれない。浮遊物の量はそばを通過した小船の大きさと比べてもかなりのものに見えたから私は気になっていたのだが、その後町の放送もないし海に動きもなかったから、既に調査済みで放置して問題なしというものだったのかもしれない。しかしそうだとしても私への対応を見る限り昼ころの段階では役場に状況は伝わっていなかったと思われる。


 
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