屋久島生活の断片・日誌編
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No.91  入院のこと H14.03.25)

つい最近2週間入院した。前立腺肥大で切除手術を受けたのである。小便が腹に力を入れなくても風船が自然にしぼむように出るようになった。今まで先生に出方はどうかと聞かれると普通に出ると言っていたのだが、正常な出方を忘れてしまうほどに前立腺肥大が長い間に徐々に進行し排尿障害になれてきたというのが実際であったようである。以下手術と入院の状況報告である。

 洗浄点滴が中止になってからの状況
(妻はやめろと言うが小さい写真でお見せする)
 ・向かって左上のガーゼ部(洗浄用チューブ固定)
・向かって右の絆創膏部(排尿管固定)
・下のガーゼ部(チンポの先から出ているチューブ、
       出てから排尿用、洗浄液点滴用、
       詰まり吸引用
の3本に分かれている)

(手術前日)
午後入院。夕食は通常通り食べる。夜9時に下剤を飲む。

(手術日)
朝食なし。9時過ぎ浣腸、これで胃腸が空になる(むかし急性の虫垂炎になって入院即手術をしたときは、麻酔がさめたらすぐ大便をしたくなり痛さを我慢しながら渡り廊下で離れた便所に壁を伝いながら用足しに行った苦痛を思い出すと、胃腸を空にする手順は安心感がある)。その後点滴開始。手術室へ行く前に鎮静剤らしきもの注射。(結構痛い。これ以外にこれといって手術終わるまで痛いと感じることはない。つまり手術で痛みを感じることはなかった。)

午後2時手術室に入る。腰椎麻酔注射。下半身に麻酔が効いてきたらチンポの先から内視鏡を挿入して電気メスで肥大部分を削り取る。内視鏡は光源、受光部、メス、洗浄液注入管、排出管が一本に収まっているようだからかなり太いだろうと思っていたが、目隠しから透けて見えたところでは鉛筆以上の太さがあるようである。

手術室には3時間くらいいたようである(手術時間は2時間以上)。何リットル入りか知らないが洗浄水はバッグ21個使用した。(前立腺手術の体験談を読んだら1時間くらいでバッグ10個使用したと書いてあったので妻にはそのくらいだと言っていたのだが、なかなか帰ってこないので心配したようである。肥大の程度が大きかったようである。また膀胱にマージャンのさいころの角が丸まったくらいの結石が手術中に見つかりそれを取り出したのも影響しているかもしれない。)

手術中は血圧を監視しているが始め160以上だったのが100くらいになったとき胸が少し苦しくなってきた。しかし訴える前に点滴チューブから昇圧剤かなにか注射されすぐに血圧が上昇し気分も良くなった。また手術中は時々組織の焼ける臭いがする。

手術が終わると回復室に入り一夜を過ごす。チンポの先からは手術が終わって挿入された太いチューブが出ている。端末は3本になっており1本は洗浄液点滴注入用で洗浄液のバッグにつながっている、一本は排尿用で尿バッグにつながっている、もう1本は盲栓がしてあるが排尿管が詰まった場合の吸引用らしい。腕には薬の点滴(連続的にする)。

翌日には麻酔が抜けるが、それまでは麻酔薬が肺から気化して排出されるようで吐く息が薬くさく喉と口が渇く。吸い飲みからの水で適当に潤しながら一夜を過ごす。

(手術後1日目)
回復室で普通の朝食(以後毎食普通の食事)。その後病室に帰る。全日、薬と洗浄液の点滴。麻酔のさめた下半身が長時間動かしていないからか置き場のないように不快(夜寝て翌日はすっきり)。

(手術後2日目)
薬の点滴は午前と午後の2回となる(手術後6日目まで)。午前で尿の洗浄液点滴は中止。朝と夕方軟らかい大便が出る。トイレには尿バッグをぶら下げ点滴ポールを引っ張っていく。尿を出すために水分を取るようにとのことで以後ペットボトル入りお茶を買って毎日1本飲む(毎日2リットル)。水分補充は医療メニューに入っていない。

以後6日目までは同様。ただし大便は固め。排便時下腹部に力が入ると肛門と袋の中間のあたりの奥が痛い。5日目初めてシャワーを使う。(3日目からOKは出ていたもの。男性は月水金が入浴日。)

尿道にチューブが入っている時期にたまたま大きくなってくることがある。このときはチューブ締め付け力が大きくなりまたチューブを先端から飲み込むようになるためか痛い。これは前述の注射より痛い感じである。完全に大きくなる前にしぼむのを待たないといけない。

(手術後7日目)
午後6時半頃尿管を抜く。よくぞこんなに太いのが入っていたと思う。先端は管を斜めにカットした形状でとがっておりカット面に穴が二つ開いていたようだった。点滴もこの日で終わり。以後抗生剤服用となる。

小便もトイレですることになる。ただし尿の状況を見るために尿瓶にとって3リットルくらいの容器にためる。容器は毎日夜中の12時に交換される。排尿時はチンポの先端に近い尿道がすこぶる痛い。

退院するまで小便は容器にためる。小便は当初は赤褐色の血尿。だんだんそれが薄くなっていき、12日目くらいには小便の出始めにワインカラーがちょっと出てあとは普通の色になる。しかし大便時チンポの先からぽたりと赤い血がたれることがある。股の下とチンポの先端近い尿道の痛みは違和感程度になる。

(手術後14日目)
退院診察を受け異常もなく、午後退院。家に帰って犬と会う。思ったより大きくなった感じがして少し戸惑う。しかし実際は犬の体重は予想より増えていなかった(生後210日18.6kg、3週間で0.8kg増)。犬も気を揉んで待っていてくれたものと思われる。一夜明けて犬の大きさに慣れる。


年をとると排尿障害が出て前立腺切除する人も多いと思われる。私は手術に先立ってインターネットで体験談を探して読んでいたが、そのときの想像と実際とはちょっとちがった。人それぞれの手術の程度や手術後の経過があるようである。体験談にはそれがどの程度の症例であるか書いていないことが多いようである。ひとつの情報だけを読んで1時間程度の手術と思っていたら1時間たっても終わる気配がないから、私も内心手術中少し心配だった。しかし手術が2時間以上手術室に3時間はいたのだが、何の異常もなかったようだしその後の経過も順調である。


補足: 手術後の経過のこと (H14.05.07)

手術後6週間経過して、退院後2回目の通院。まだ時々排尿始めに褐色の尿が出たり、同じ姿勢を長く続けると股の下がじんと痛くなってくるのが直らない。また排便するとき下腹に力が入るとピンク色の尿が漏れるのも直らない。抗生剤を服用しているので腸内細菌もやられるので便が硬くなるらしい。

2回目の通院時整腸剤を処方され、以後排便時のピンク色の尿がなくなり、股の下の痛みも気にならなくなっている。


 
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